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先輩とオレだけの約束

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先輩とオレだけの約束

12 - 第11話 琥珀色の宝石(🎈視点)

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2024年06月04日

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途方もなく、木々の下で座ってしまう。辺りを見渡しても、ずっと森。何も変わらない、何も変えられない。

目が狂ってきた。


🎈「はぁぁ、」


体が疲れてるんじゃない。そんなの全くないが、心の疲労感でレベルが段違いだ。

誰もいない。唯一いた生き物さえも宝石となって消えてしまった。このまま、どうしたら、、。


?「おこまり、?」

🎈「へ、」


突然、目の前に短髪の少女が現れる。背は小さく幼い。…人がいて、。


🎈「だ、だれっ、」

?「んー、なんて言ったらいいかなぁ、」

🎈「、、??」

?「ねぇねぇ、ルイくんはどうしたいの?」

🎈「へ、僕の名前…、」


少女はこちらを見るなり、ニコッと笑った。知り合いでも何でもないのに既視感が、。


🎈「どうしたい、とは一体…。」

?「死にたい?それとも、生きたい?」

🎈「い、生きたい!?ぼ、僕…生きてないの??」

?「う、上手くは言えないけど、ここはなんて言うんだろう。んーっと、セカイの狭間…かな?」


いまいち何を言ってるか分からない。これは現実じゃない?それなら夢?それとも何?


🎈「き、君は生きてるの??」

?「ぼ、ぼく?生きてないよ。」

🎈「へ、」

?「ルイくんが生み出してくれたから。」

🎈「な、尚更わかんないっ!!」

?「えへへ、」


生み出した!?僕子供産んだってこと??え、なにそれ。グロくない!?


?「まぁ、いいんだけどさ。」

🎈「いいの、?」

?「で、どうする?このまま、生きる?死ぬ?」


究極の2択。


🎈「……死んだらどうなるの、」

?「…死んだらぁ、どうなるんだろうね☆」

🎈「えぇ、ちょっと!?」

?「ってのも冗談で。宝石で見た?映像。」

🎈「映像、?見たよ」

?「死んだら、あの子たちには会えない。」

🎈「あえ、ない?」

?「何を見たかは分からないけど、ルイくんにとっては大切な事だと思うな。」


映像の子たち?顔が全くもって見えなかった。酷くぼやけ、誰かさえも認識できなかった。


🎈「じゃ、じゃあ、もし生きたら、。」

?「…あの子たちには確かに会えると思う。だけど…、。」

🎈「だけど??」

?「……………辛い過去は消えないよ。」

🎈「つらいか……い”ッッッッ!?」

?「!?」


あたまがッッ、痛いッッ、。あまりの痛さに頭を抱える。痛い痛い痛い痛い痛い。

「お前みたいな出来損ない。」

「いらない」

「気持ち悪い」

やだ、いやだ。

「なにしてるの、」

「馬鹿じゃねぇの」

「現実見なよ」

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。やだ、痛いッッ、。

“…最低です。”


🎈「あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ッッ、 」

?「ルイくんッッ!しっかりしてッッ!」


やめて、やめて、やめて、。そんな事言わないで。僕が悪いから、謝るから。

思い出したくない過去が頭の中に流れてくる。あぁ、そうだ僕は、


🎈「いじめ、られてたんだ、」

?「ルイくんッッッッ!!!」


さまよい続け、親にも迷惑かけて仲間でさえも傷つけた。


🎈「ごめんなさいッッ、ごめんなさいッッ、」

?「謝らないで、悪くないよッッッッッッ 」


宝石で見た顔の濁りがなくなっていく。思い出した、思い、出し…、た。


?「落ち着いてッッッッッッ!!」

🎈「おもい、だしたよ、」

?「え?」

🎈「寧々にえむくん、瑞希に翼くん。おもいだ、し、」

?「………足りない、」

🎈「え?」

?「足りないよ、1人」


頭の中で荒れ狂う思考を抑えようと頭を抱える。1人…足りない、??


🎈「ッッッッ、」


思い出そうとしても、脳がダメだと命令を下している。ダメだと、思い出すなと。


?「思い、だせない?」

🎈「わか、んないッッ、。」


きっと、一番最初に見た瑠璃色の宝石の子だ。その子だけ誰よりも悲しそうだったのを覚えている。…それぐらいしか、。


🎈「僕…思い出したよ。全部。」

?「……、」

🎈「…………殺して、」

?「は、」

🎈「もう、あんな辛い思いしたくない。」


ニコリと微笑む。笑えてるだろうか。もう、思い出さなくても支障はきたさない。それよりも、この辛い過去から開放されたい。


?「で、でも」

🎈「懲り懲りなんだ。あんないじめは。」


学校での暴力、無視、脅し、。全て含めてうんざりだった。


🎈「僕が死んでも誰も悲しまないよ。むしろ、みんな笑ってくれる。」

?「そんなことッッ、」

🎈「ううん。絶対そう。」

?「名前をだした4人の子は悲しむッッ、」

🎈「…いーや。悲しまないよ。」

?「どうして、そこまで言い切れるのッッ!」

🎈「…それは、」


楽しそうだった。僕が知るよりも最初から。


🎈「…迷惑だろう。生き続けたところで。心配させて、その度に助けて貰って。自分の自己管理ができてないだけに。」

?「ひ、人は誰かに頼るものでッッッッ」

🎈「…頼りすぎなんだよ、僕は。彼や彼女はきっといなくても生きていける。進んでいける力を持ってるから。周りに大切な、支えてくれる人がいるからさ。」

?「っ、」

🎈「……だから、生きていたところで悲しむ子はいないよ。」


寧々にはえむくんがいる。瑞希には翼くんやお姉さんがいる。もう、みんないるじゃないか。


🎈「一人ぼっちは僕で十分さ。」

?「……、」

🎈「人1人死ぬぐらい、どうってことないだろう。だから、はやくっ、」

?「…ツカサくんは悲しむと思うよ、」

🎈「え、誰それ、」


ツカサ、くん??誰一体、。脳が拒んでいる。


?「…っ、テンマツカサっ!貴方の大切な人っ!!」

🎈「た、いせつ、?そんな人いるわけないだろうッッ!誰も僕のことなんか思ってない。誰も、誰もッッッッ!!」

?「もうっ!これ、見てっ!!!!」


勢いよく右手を出され、握りしめられた片手は光り輝いている。


?「貴方をずっと待っていてくれてるのッッ!」

🎈「嘘だ、そんな物好きどこにもッッッッ」

?「いいから見てッッ、お願いッッ!!」


投げられたキラキラと輝く何かをキャッチする。…一回り大きい宝石、。それも琥珀色の。


🎈「……、」

?「お願いッッ!!」


勇気を出し、僕は宝石片手に空を見上げた。

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