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真理亜:「じゃあ、いくで……!」
真理亜の声が震えていた。それでも彼女の目は、まっすぐと大吾が閉じ込められている家を見据えていた。
夜の住宅街に、4人の影が静かに動く。
玄関先に立った謙杜が振り向き、頷いた。
謙杜:「……行くで。合図で突入や」
【作戦内容】
• まず真理亜、恭平、駿佑、謙杜の4人が家に突入。
• 謙杜が母親を抑え、恭平・駿佑が父親の拘束を担当。
• 同時刻、和也・丈一郎・流星が真理亜の父・三城 真に連絡し、警察が現場へ向かう。
謙杜:「行けっ!!」
謙杜が叫び、玄関の扉を蹴破った。
大吾母:「何や!?誰やお前ら__!」
現れたのは、怒鳴り声と共に飛び出してきた母親。
謙杜:「ごめんな、叔母さん!」
謙杜は素早く母親に飛びかかり、両腕を押さえ込む。
大吾母:「うるさいッ!あんたたち何して__ああっ!」
暴れる母親を必死に床に組み伏せながら、謙杜が叫ぶ。
謙杜:「恭平!みっちー!行けッ!」
廊下の奥から、父親の怒鳴り声と、家具が倒れるような音が響いた。
大吾父:「お前ら、なにモンやッ!!!」
大柄な父親が突進してきた。腕を振り回す勢いが凄まじい。
恭平:「みっちー、右から!俺、こっち抑える!」
恭平が叫びながら突っ込む。
駿佑:「うっわ、力強すぎやろッ!!」
駿佑も必死に父親の腕をつかむが、振り払われて壁に倒れ込む。
大吾母:「やめてぇぇえ!!」
母親の叫び。
重い足音。
荒れ狂う父親の叫び。
カオスのような空間の中、真理亜は必死で地下の扉を探していた。
真理亜:「大吾くん!どこ!?大吾くん!!」
そのとき、かすかに聞こえた__
大吾:「……まりあ、ちゃん……」
真理亜:「いた!」
階段の奥、錆びついた鉄の扉の向こうから、か細い声が聞こえた。
真理亜:「大吾くん、いま助けるからっ!」
鍵は錆びて開かなかったが、脇の板が外れていた。
真理亜:「無理や……これ、私じゃ……!」
その瞬間__
真:「真理亜!」
玄関の方から響いた男の声。
真理亜:「……お父さん!!」
警察官の制服に身を包んだ三城真が、数人の景観を引き連れて現れた。
真:「全員動くな!!警察や!!」
数秒後、父親は取り押さえられ、母親も謙杜の腕から引き離され、手錠をかけられた。
真理亜は叫ぶ。
真理亜:「ここに大吾くんが!地下におるの!!」
景観:「了解!」
景観がバールで扉をこじ開け、ようやく扉が開いた。
その中に、青白い顔で倒れている西畑大吾の姿があった。
真理亜:「……だいご、くん……」
真理亜は、大吾の体を抱きしめた。
その瞬間__
大吾:「あのときも……こうやって、抱きしめたんや__」
目の奥に、光が差し込んだ。
__泣いている小さな男の子。
__血だらけで、戸惑っていた彼に、小さな自分が手を伸ばす。
__「逃げよう」と、泣きながら抱きしめていた、あの記憶。
真理亜:「……思い出した……私、大吾くんを……助けたこと……」
涙が、頬を伝ってこぼれた。