あたしがどうにか機関室にたどり着くまでに、二度大きな揺れが来た。そのたびに船は大きく傾いて、不安定で小刻みな振動がずっと足元から伝わってくる。廊下はほとんどまっすぐ歩けないほどで、壊れたものが散乱していた。
何度か黒服に出くわしそうになって慌てて隠れたりしたけど、黒服たちの方もそれどころじゃないって感じだった。慌ててどこかへ走っていったり、怒鳴り合いをしたりしている。
どう見ても『計画通り』って空気じゃない。訳が分からないけど、こっちにとっては好都合だった。
「混乱してるうちに、何とか朱虎を助け出せたら……」
レオはどうしてるだろう。もう船を脱出しただろうか。
脳裏にものすごい音とともに揺れていたドアがよぎった。ぞくりとする。
「……もう船からいなくなってますように」
適当な神に祈り*************************
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