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子猫といっても生後2カ月ぐらいの子猫である。まだ目がよく見えず、親猫のあとを追いかけて歩いている時期であろう。なぜこのような小さな子が死んでしまったのか? 飼い主は何を考えていたのか? 想像すると興味深い。
さっそく家に帰ると、まずは台所の窓を開ける。
「ただいまー!お腹空いたよ!」
と大きな声で叫ぶと、「ニャア~ン」と可愛らしい鳴き声が返ってくる。
声の主はすぐに見つかった。茶色いトラ模様をしたサバ白猫で、我が家で飼い始めたばかりの子だ。名前はシロちゃん。名前の由来はもちろん白いからだ。
「よしよし。今ご飯あげるねー」
私はペット用のドライフードをお皿に入れていく。お皿に入っている分だけでは足りず、床にもこぼれている。いつものことなので慣れてしまったけど、掃除をする身としては大変だ。
「もうちょっと少なくてもいいと思うんだけどなぁ……」
この子の飼い主さんは何を考えているんだろう?
「ほら! 早く食べなさい!」
私が叱ると、ようやく食事を始めた。
「それじゃ行ってくるわね。ちゃんといい子にしているのよ?」
私の言葉を理解してるかのように小さく鳴く子猫。本当に可愛いくて仕方ない。
仕事に行く前に必ずやることがある。それは――
「ちゅっ♡ はむぅ〜ん♪」
キスをして頬擦りすること。これをしないと一日が始まった気がしない。
「ふへぇ〜癒された〜」
さっきまでの疲れが嘘のように消えていく。
「うん、今日も頑張れそうだわ」
私は玄関を出る。鍵をかけようとドアノブに手をかけると、突然扉が開いた。
「うおっ!?」
中からは男の人が飛び出してきた。びっくりしたが怪我はなかったようだ。