ここまで一息で言い放った俺は、多少息切れをしながら我に返った。
やってしまった。何も悪くない青に、あたってしまった。
でも、なんとなく謝ることができなくて、その場を離れてしまった。
ここで親の話を出されるのは悲しかった。
それは僕も否めないところではあるし、ずっと悔やんできたことでもあった。
ただ、それは今関係のないことだし、わかったような口をきいたつもりもなかったし、心配になって声をかけただけでここまで言われてしまったので、僕も少しムキになって言い返そうとした。
でも、その瞬間桃くんは自分の部屋へ向かってしまった。桃くんのなぜか寂しげな背中に、僕は言い返すこともなく、ただ、こう呟いた。
「ごめんね。」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!