舘さんと翔太は謎の多いカップルだ。あまり一緒にいるところを見ないし、翔太の性格からしてもベタベタするとは考えにくい。今回、ツアーで使うホテルの都合の関係で久しぶりに2人部屋になった彼らを、私、阿部がレポートしていこうと思います。
トントン。
❤️「はい」
応答したのは舘さん。ドアを開けると、バスローブ姿の歌舞伎メイクの舘さんが右手にブランデー…じゃなくて、カップでお茶を飲んでいた。
メイクかと思ったら歌舞伎のイラスト入りのパックか。紛らわしい。笑わせに来ているのか天然なのかわからん。俺はとりあえずその件についてはスルーした。
奥側のベッドには翔太が腰掛けているのが見えるが、あからさまに向こうを向いている。
❤️「なに?」
💚「あ。ちょっと打ち合わせしたいとこがあって…」
嘘です。2人の様子を見に来たんです。完全なる興味本位です。
とりあえず適当にこの曲のここが〜とか、あの曲の振り付けの〜とか話を長引かせる。
なんとか翔太の顔が見たい。
絶対にわざと向こうを向いてるだろ。舘さん、そのパック付けたまま、真面目に話すのやめて(笑)
💚「翔太はここさぁ〜」
❤️「あ。阿部さん。翔太は今ちょっと」
なになに?見えない方の首筋にキスマでも付けた?それともほっぺに舘さんのリップの跡でも…?湧き立つ胸を押さえながら翔太に近づこうとしたら、翔太が急にこっちを振り返った。
💚「何それ。どうした」
翔太の片方の瞼が異様に膨れている。目の半分しか開いていない。
💙「急にものもらいになった」
💚「ものもらい???」
❤️「それに、口内炎もできちゃって。痛がってあんまり食べれてないんだ」
舘さんの補足説明が尊い。
💙「明日、眼帯付けてステージに立つわけにはいかねぇし。マジでどうしよ」
移動のツアーバスでは気付かなかった。翔太の体調は現在絶不調のようだ。
💚「なーんだ」
❤️「なに?期待させちゃった?」
舘さんには俺の意図は完全にお見通しのようだ。剽軽な歌舞伎パックを外して、イケメン舘様が降臨すると、おもむろに翔太の腫れた瞼に口付けした。
💙「ぎゃっ!!」
❤️「可愛くない声出すな」
💙「悪化する!早く消毒しないと!!」
弾かれるようにシャワールームに消えた翔太。俺はゆり組の尊さに胸を撃ち抜かれた。
❤️「阿部って隣りの部屋だっけ」
💚「うん。佐久間と同室」
❤️「夜、うるさいかもしれないけど、聞き耳立てるのはやめてよね」
💚「ハイ。お約束します」
必ず聞くことを……!
その夜。
壁側のベッドを陣取った俺は、佐久間が色気もクソもなく腹を出して寝ている中、日付が変わる頃まで必死に聞き耳を立て続けた。
おわり。
コメント
12件
あべちゃんかわいすぎ😂😂 舘様に全部読まれてるのさすがすぎて😂
歌舞伎パック欲しいかも笑 ゆり組強火担のあべちゃんは最高💚