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すの短編2

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すの短編2

9 - ゆり組調査隊 ❤️💙

♥

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2025年04月03日

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舘さんと翔太は謎の多いカップルだ。あまり一緒にいるところを見ないし、翔太の性格からしてもベタベタするとは考えにくい。今回、ツアーで使うホテルの都合の関係で久しぶりに2人部屋になった彼らを、私、阿部がレポートしていこうと思います。


トントン。


❤️「はい」


応答したのは舘さん。ドアを開けると、バスローブ姿の歌舞伎メイクの舘さんが右手にブランデー…じゃなくて、カップでお茶を飲んでいた。

メイクかと思ったら歌舞伎のイラスト入りのパックか。紛らわしい。笑わせに来ているのか天然なのかわからん。俺はとりあえずその件についてはスルーした。

奥側のベッドには翔太が腰掛けているのが見えるが、あからさまに向こうを向いている。



❤️「なに?」


💚「あ。ちょっと打ち合わせしたいとこがあって…」



嘘です。2人の様子を見に来たんです。完全なる興味本位です。

とりあえず適当にこの曲のここが〜とか、あの曲の振り付けの〜とか話を長引かせる。


なんとか翔太の顔が見たい。


絶対にわざと向こうを向いてるだろ。舘さん、そのパック付けたまま、真面目に話すのやめて(笑)


💚「翔太はここさぁ〜」


❤️「あ。阿部さん。翔太は今ちょっと」


なになに?見えない方の首筋にキスマでも付けた?それともほっぺに舘さんのリップの跡でも…?湧き立つ胸を押さえながら翔太に近づこうとしたら、翔太が急にこっちを振り返った。


💚「何それ。どうした」


翔太の片方の瞼が異様に膨れている。目の半分しか開いていない。


💙「急にものもらいになった」


💚「ものもらい???」


❤️「それに、口内炎もできちゃって。痛がってあんまり食べれてないんだ」


舘さんの補足説明が尊い。


💙「明日、眼帯付けてステージに立つわけにはいかねぇし。マジでどうしよ」


移動のツアーバスでは気付かなかった。翔太の体調は現在絶不調のようだ。



💚「なーんだ」


❤️「なに?期待させちゃった?」


舘さんには俺の意図は完全にお見通しのようだ。剽軽な歌舞伎パックを外して、イケメン舘様が降臨すると、おもむろに翔太の腫れた瞼に口付けした。


💙「ぎゃっ!!」


❤️「可愛くない声出すな」


💙「悪化する!早く消毒しないと!!」


弾かれるようにシャワールームに消えた翔太。俺はゆり組の尊さに胸を撃ち抜かれた。


❤️「阿部って隣りの部屋だっけ」


💚「うん。佐久間と同室」


❤️「夜、うるさいかもしれないけど、聞き耳立てるのはやめてよね」


💚「ハイ。お約束します」


必ず聞くことを……!



その夜。

壁側のベッドを陣取った俺は、佐久間が色気もクソもなく腹を出して寝ている中、日付が変わる頃まで必死に聞き耳を立て続けた。






おわり。

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