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『病名は個性』
「 彼奴らは何処に行ったのかい?
「 …わかりません…、 」
「 彼奴らは? 」
「 …わかりません、 」
「 はぁ、 」
お父様がため息をつく
「 すみません 」
「 謝って欲しいわけじゃあないんだよ。No.4913。君は姉であるNo.4912も、No.0502も君が逃し
たんだ。わかるかい? 」
「 …はい、 」
「 じゃあ、言いたいことはわかるかい? 」
「 …はい、行ってまいります 」
「 うん。そうだ 」
______________
「 彼奴らのせいでっ、私が、私ばっかりがっ!! 」
私は焦って彼奴らを探す
彼奴から隠してあげないと
「 …何処っ!!何処っ、!? 」
お願い、見つかってって
早く、逃げて
ずっと、ずっと、
私の願いは叶わない
______________
あの人たちがPKST団と知ったのはあの日
( 今日の仕事は、謎の喫茶店に潜入して、依頼をする…?
意味がわからない。あの人は何がしたいの?
喫茶店?彼奴らがいるわけないじゃん
…まぁ、いいや。刃向かったら、死ぬ
カランコロン
「 いらっしゃい 」
店内にはそんな声が響き渡る
「 ここっ、は!いつもは喫茶店をやっている、と聞いたんですが…っ! 」
「 皆さんにっ、!PKST団として、仕事を依頼したくてっ、! 」
そう私が言ったらすぐボロがでた
あぁ。本当に此奴らが、PKST団か、そう思った
「 僕らが、PKST団ではないんですけどぉ、まぁ依頼内容は? 」
はぐらかした。バレバレだ
「 …私のっ、大切なものを、取り返してほしくてっ! 」
「 それは無理なお願いだなぁ、。何でも屋としてならいいけどPKST団としてなら無理だね 」
おそらく、この男が0502
「 おい、トラゾー 」
と、止めようとする声がする。その主が0121だ
「 ごめんね。お嬢さん、ちょっと無理ってみんな言ってるんで、帰ってもらって…、 」
「 しにがみくんもっ! 」
と、0227が私に声をかける
「 お前ら、勝手に進めんなよ。まぁ、実際に、厳しいと思うけど、 」
と、みんなを率いているのが1008だ。多分
「 な、なんでですかっ! 」
「 依頼料は高くつくよ?どこでこんな店にPKST団がいるっているガセ情報仕入れたか、知らない
けど 」
ガセじゃないよ
本当にあんたらがそうなんでしょ?
「 いくらでも払いますからっ、!!!お願いしますっ! 」
金ならいっぱい支給された
このチャンスを逃すまいと私は頑張る
「 君、 僕らがPKST団って勘違いしてるけど、そうじゃないんだ。 」
「 そ、そうなんですか? 」
「 そう、僕ら4人の仕事は、お客さんと彼らをつなげる架け橋みたいな感じ 」
「 へぇ…、 」
こんな嘘をついて、此奴らは彼奴から逃げた?
信じられない
整形してるわけでもない。性格を変えているわけではない。
「 だから、僕らがいいよって言っても、彼らがいいっていうかわかんないんだ 」
「 そうなんですね、 」
あぁ。今回の件は簡単そうだ
「 でも、一応伝えておくね、詳しい依頼内容聞いてもいいかな? 」
「 …はいっ!!ありがとうございますっ!!! 」
カランコロン
_________________
「 あの時は全然だったのに、 」
何が彼奴らを覚醒させたの?
何があったの?
雰囲気がまるで違う
「 No.4913…、 」
「 …あんたっ?! 」
一番会いたくない人と出会った
こんな姿見せたくなかった
「 …何?今更あんたにようないんだけど 」
「 …そんなこと言わないでよ…っ、 」
「 そんなことって何?!一年前あんたがあそこから逃げたのが悪いんじゃん!! 」
一年前____________
「 私、逃げる 」
「 はぁ? 」
私の一個前に作られたNo.4912が私にそう言った
「 逃げる?ここを?昔逃げたなんだっけ、0121?とかそこら辺みたいに? 」
「 うん。 」
「 なんで? 」
「 …嫌になったから、 」
「 は? 」
「 …こんな生活もう嫌なの! 」
「 え? 」
「 私は、病気を治せる病気を彼奴から奪って、ここから逃げるの 」
「 …できるの? 」
「 わかんない、4913はどうする? 」
「 …そんなリスキーなことやるわけないでしょ(苦笑 」
この時は4912を馬鹿にしていた
でも、成功させたんだ
あの子は、逃げた
「 No.4912、彼奴は逃げた 」
「 …そうですか 」
「 No.4913君は何か知っているかい? 」
嘘をついた
「 知りません 」
「 そうか。 」
しばらくは何もなかった
でも、その日から二週間後
彼奴はそこまでに、たくさん、たくさん、作って、壊してを繰り返して
私の番が回ってきた
まずは薬を入れられて
全身が痛くなって
もう、辛かった
________________
「 今更なによ。もう話すことないでしょ? 」
「 私たちと一緒に戦わない? 」
「 …、は? 」
「 …、っ、駄目? 」
此奴の言っている意味がわからない
なんで?なんで私を?
「 …こっちにはさ!ぺいんとさんや、トラゾーさん、クロノアさんにしにがみさん、PKST団の皆
さんがついてるっ!百人力だよ?4913もさ!一緒に戦って、彼奴を…っ!
「 …今更、何正義ぶってんだよ。 」
「 …!? 」
「 やめてよ!うざいんだよ。あんたのせいで私が惨めなるじゃん、 」
自分が変なことを口走ってるのに気づかなかった
これも病気の症状なんだろうか
「 いいなぁ。私も逃げれば良かった。あんただけいいなぁ、病気治って、ずるいなぁ、苦しまなく
ていいんでしょ?いいなぁ。私も、私も…
「 …今から、逃げようよ。一緒に 」
「 …え? 」
「 …行こう。戦おう? 」
「 …いいの? 」
「 うん。皆さんもそう言ってる 」
「 …、 」
一言で言えば今の状況は嬉しい
私だって逃げたい
消えたい
助かりたい
だから、!
バンッ
銃声が鳴った
_____________
「 あの子1人で大丈夫かな? 」
「 …わかんないですよね。 」
「 私に任せてって、言ってたけど、 」
「 行くか 」
「 うん 」
みんなの声が揃う
___________
バンッ
銃声が聞こえた
「 急ぐよ!みんな! 」
「 はい! 」
タッタッタ
そこには倒れている彼奴がいた
「 お前ら、何してんだよっ?! 」
「 さ、流石に、っ、死んでるとか、ないです、よね? 」
「 4913、4912、何があったの? 」
「 …それは、 」
「 此奴寝てるだけだよ。 」
No.4913が否定する
「 本当に? 」
「 血出てないでしょ?寝息もたててる。しばらくは起きないんじゃない? 」
「 そうなら、いいけど 」
「 でも、何があったの?銃声だって聞こえた 」
「 それは
__________
だから
バンッ
「 何してるの?!4913!! 」
「 気づいていなかったの?お姉ちゃん 」
「 …! 」
「 彼奴だよ。あんたのこと狙ってたよ?よくもまぁ、バレてないと思ったよね 」
「 …生きてる、? 」
「 勿論。人殺すなんてしないよ。馬鹿じゃないんだし、 」
「 でも、倒れて、 」
「 それは此奴に経験がないから 」
「 え? 」
「 此奴はねあんたがいなくなってから狂い出して、人を殺せとか、ボクが正義だとか、まぁ、馬鹿
だったのね。ほんとは此奴殺したかったんだけど、病気のせいでね。反抗できなくて。治す薬と
か飲みたかったん だけど、彼奴、全部壊しやがって 」
「 でも、さっきから様子変だったじゃん!意味がわからないよ 」
「 それは普通に薬の効果、情緒不安定になるんだよね。口調だって、そうだし、思っていないこと
口走って 」
「 …そうなんだ。 」
タッタッタ
走る足音が聞こえた
「 あの人たちが来るよ。お姉ちゃん 」
____________
「 って、感じです。 」
「 はぁ?ほんと意味わかんないんだけど 」
「 つまりどういうことですか? 」
「 4913も、狂いたくて狂っていたわけではないって、ことじゃない? 」
「 へぇ、 」
「 そういうこと。病気ってこわーい。そう言えば4912、治る薬ちょうだい。私も彼奴からの呪いか
ら解放したい 」
「 どうぞ 」
ごっくん
「 …これ、治ったの?実感わかな 」
「 …それはわかる。俺だってトロイ治ったかわかんないし 」
「 まぁ、いいかぁ 」
「 4913はなんの病気にかかっていたの? 」
「 …わかんないっすね。忘れましたわ 」
「 …はぁ?! 」
「 五月蝿いっすよ。そういえば、これ 」
そう言って4913がSDカードを出す
「 何これ? 」
「 これは彼奴の研究の資料 」
「 え? 」
「 これで彼奴を社会的に殺せる。このSDカード、あんたたちにあげる 」
「 …いいですか? 」
「 元は私が此奴を早く殺せば良かったんだし、いいよ 」
「 …ありがとう 」
「 お礼はいいよ。でも、ここからは早く逃げたほうがいいかも 」
「 なんで? 」
ピーポー
サイレンが響く
「 まさか、 」
「 警察呼んじゃってるから 」
「 えぇ?!?! 」
全員の声が重なり合って、この会社中に響いた
___________
次回最終回
コメント
1件
風邪で見るの遅れた😭 最終回見に行くかぁぁぁ、