待ち合わせ場所のコンビニの前には、同じジュニアの先輩たちが3人でたむろしていた。
中には煙草を吸っている先輩もいて、なんていうか、ガラの悪い、普段から燻っているような先輩たちだった。
彼らは、日頃から事務所への不満を口にし、俺たち後輩の士気を下げる、あまりほめられたタイプではない先輩たちだった。逆らうとちょっと怖いところがあって、最近、特に俺は目をつけられている。
「おお、来たか翔太」
💙「こんばんは」
「馬鹿。おはようございます、だろ。俺たち芸能人なんだから」
芸能人、なんて言葉が似合うとはとても思えないような風貌の3人を見て、俺は気づかれないようにそっとため息をついた。
「じゃ、ゲーセンにでも行こうか」
ゲーセンからカラオケへとお決まりの繁華街コースへと進んでいく。
会計は先輩持ちなので、中々帰るとは言い出せなかった。俺はバカみたいにはしゃぐ先輩たちを持ち上げながらついていく。早く帰りたいなと願いながら。
カラオケで都合3時間歌い続け、とうとう歌う曲もなくなり、まったりとした時間になってきた。そろそろお開きかなあとぼんやり考えていたら、1人の先輩が言い出した。
「翔太って、処女?」
💙「え?俺男ですよ」
「そんなんわかってるよ。経験の話だよ、男との」
💙「そんなん、ないっす(笑)」
もう1人の先輩がにやにやして、この話が始まってからずっと黙っている先輩の肘をつついた。
「よかったじゃん。翔太、男と付き合ったことないって」
「こいつ、翔太に惚れてるんだよ」
3人の先輩の容姿をざっと見比べて、一番ないわ、と思っていた先輩が俺のことを熱っぽい視線で見ているのにこの時初めて気がついた。嫌な予感が全身に走って、俺は席を立とうとした。
「おいおい。逃げんなよ。キスくらいさせてやれ」
一番イケメンの先輩が笑っている。もう1人の先輩はこのために呼び出したんだから、と煽るようなことを言った。
💙「冗談きついっすよ」
「キ、キスだけ…だめかな?」
とうとう俺のことを好きだという先輩が意を決したように口を開いた。
コメント
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しょうたぁぁぁぁぁ!!
おいこら翔太に触るなって誰かさんに言って欲しいな❤️💙🫣