テラーノベル
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3ヶ月で本気(マジ)になる恋。
🩷佐野勇斗
💛吉田仁人
🤍山中柔太郎
❤️曽野舜太
💙塩﨑太智
第6話 言葉より素直なもの。
今回の企画は、
『恋人の好きなものを手料理
してみよう!』
ということで――
撮影スタート。
👤「今回は、勇斗くんが仁人くんの好きな料理を作ってくれるそうです!」
🩷「はい!」
💛「なんか嫌な予感するんだけど」
🩷「なんで?笑」
💛「勇斗、こういうの張り切るじゃん」
🩷「だって仁人のためだもん」
💛「……はいはい」
勇斗は笑いながらエプロンをつける。
👤「ちなみに仁人くん、好きな食べ物は?」
💛「チキン南蛮!」
🩷「知ってる」
💛「……なんで?」
🩷「仁人が好きなの、知ってるよ」
💛「いつ知ったの?」
🩷「ずっと見てるから」
💛「……」
🩷「仁人のこと」
💛「……そういうの、さらっと言うのやめて」
🩷「なんで?」
💛「なんでも」
仁人は顔をそらす。
最近、勇斗はこういうことを平気で言う。
前までは、
「恋人役だから」
そう思えば、なんともなかった。
でも最近は――
なぜか心臓が反応する。
だから、少しだけ冷たくする。
「嬉しい」と思っても、
「別に」って言う。
「楽しい」と思っても、
「普通」って言う。
本当は――
その逆なのに…。体がそう言ってしまう。
料理が始まる。
勇斗が鶏肉を切っている横で、
仁人がじっと手元を見る。
💛「勇斗、それ大丈夫?」
🩷「大丈夫だよ」
💛「ほんと?」
🩷「心配してくれてる?」
💛「別に」
🩷「心配してくれてるじゃん」
💛「……怪我されたら困るだけ」
🩷「俺が?」
💛「うん」
🩷「なんで困るの?」
💛「撮影止まるから」
🩷「あー、そっちね」
💛「そう」
🩷「残念」
💛「何が?」
🩷「俺のこと心配してくれてるのかと思った」
💛「……」
🩷「違った?」
💛「……うるさい」
🩷「ふふっ」
勇斗はすぐ、
こうやって距離を詰めてくる。
俺が一歩引けば、勇斗は一歩近づく。
まるで、
「逃がさない」
と言われているみたいで――
余計に意識してしまう。
しばらくして、
勇斗がタルタルソースを作っていると仁人が横から覗き込む。
💛「何入れてるの?」
🩷「秘密」
💛「なんで?」
🩷「仁人が食べたときに当ててほしいから」
💛「分かるわけないじゃん」
🩷「じゃあ当てられたらご褒美」
💛「いらない」
🩷「じゃあ俺があげたい」
💛「……何それ」
🩷「仁人が喜ぶこと」
💛「……」
🩷「何がいい?」
💛「知らない」
🩷「じゃあ俺が考えとく」
💛「勝手にして」
🩷「うん、勝手にする」
勇斗は楽しそうに笑った。
その笑顔を見ると、
仁人もつられて笑ってしまう。
💛「……ほんと楽しそうだね」
🩷「うん。楽しい」
💛「料理が?」
🩷「仁人といるのが」
💛「……」
🩷「料理も楽しいけどね」
💛「……もういい」
🩷「照れた?」
💛「照れてない」
🩷「顔赤いよ?」
💛「暑いだけ」
🩷「エアコンついてるよ?」
💛「……勇斗、ほんとうるさい」
🩷「ごめんごめん」
💛「絶対思ってないでしょ」
🩷「思ってるよ」
💛「嘘」
🩷「じゃあ、もっと言おうか?」
💛「言わなくていい!」
仁人は顔を背けた。
でも、口元は少しだけ笑っていた。
料理が完成する。
テーブルの上には、
仁人の大好物のチキン南蛮。
💛「……めっちゃ美味しそう」
🩷「でしょ?」
💛「すごいじゃん」
🩷「食べてみて」
💛「うん」
仁人が一口食べる。
少し間があって――
💛「……美味しい」
🩷「ほんと!?」
💛「うん。めっちゃ美味しい」
🩷「よかった……!」
💛「そんな喜ぶ?」
🩷「だって仁人に美味しいって言ってほしかったから」
💛「……」
🩷「もっと食べて」
💛「うん」
🩷「いっぱい食べて」
💛「分かってるって」
🩷「俺が作ったからいっぱい食べてほしい」
💛「……分かった」
仁人はもう一口食べる。
🩷「どう?」
💛「美味しい」
🩷「俺のこと好き?」
💛「……っ!」
🩷「あ、今のは冗談」
💛「……ほんと、そういうこと言うのやめて」
🩷「なんで?」
💛「知らない」
🩷「俺は結構本気だけど」
💛「……」
🩷「仁人?」
💛「……食べる」
🩷「ふふっ、仁人逃げた笑」
💛「うるさい」
勇斗は楽しそうに笑う。
仁人はチキン南蛮を食べながら、
必死に平静を装っていた。
撮影も終盤。
スタッフが二人に質問をする。
👤「ここで一つ質問です!」
👤「最近、相手に対して『もっとこうしてほしい』って思うことありますか?」
🩷「俺はある」
💛「早っ」
🩷「もっと俺に頼ってほしい」
💛「……」
🩷「仁人、なんでも一人でやろうとするから」
💛「別にできるし」
🩷「できるのは知ってる」
🩷「でも、俺にも頼ってほしい」
💛「……」
🩷「俺、仁人のことなら何でもするよ」
💛「……大げさ」
🩷「大げさじゃない」
💛「……」
🩷「仁人は?」
💛「……俺?」
🩷「うん」
💛「……特にない」
🩷「えー、寂しい」
💛「なんで?」
🩷「俺にはないの?」
💛「……」
🩷「一個くらいない?」
💛「……」
🩷「仁人」
💛「……もうちょっと、うるさくないといい」
🩷「それは無理」
💛「即答じゃん」
🩷「だって仁人と話したいもん」
💛「……」
仁人はまた、顔をそらす。
でも、本当は嬉しかった。
「もっと話したい」
その気持ちは、自分も同じだったから。
撮影終了。
スタッフが片付けをしている間、
二人は並んで座っていた。
💛「……勇斗」
🩷「ん?」
💛「今日、ありがと」
🩷「どういたしまして」
💛「チキン南蛮、美味しかった」
🩷「また作るよ」
💛「……別に頼んでないけど」
🩷「でもまた食べたいでしょ?」
💛「……まあ」
🩷「じゃあ作る」
💛「……ほんと、しつこい」
🩷「嫌?」
💛「……嫌じゃない」
小さな声だった。
でも勇斗には、ちゃんと聞こえた。
🩷「ん。じゃあ、また作る」
💛「……うん」
🩷「次は何がいい?」
💛「まだ決めてない」
🩷「じゃあ俺が考える」
💛「……勝手にして」
🩷「うん」
仁人が少し笑う。
その横顔を見ながら、勇斗も笑った。
💛仁人side
最近、勇斗のことを考える時間が増えた。
撮影が終わっても、
今日言われたことを思い出す。
『仁人のこと、ずっと見てるから』
『もっと好きになってもらえるように頑張ろ』
『俺、仁人のことなら何でもするよ』
『仁人と話したいもん』
思い出すたびに、胸が騒がしくなる。
だから――つんつんする。
素直になったら、もっと勇斗のことを好き
になってしまいそうだから。
本当は、もっと一緒にいたい。
本当は、もっと話したい。
本当は――
この企画が終わっても、
勇斗に飽きてほしくない。
だから、少しだけ距離を取る。
「うるさい」
「しつこい」
「知らない」
「別に」
そんな言葉ばかり増えていく。
でも――
それは嫌いだからじゃない。
むしろ、その逆。
好きになりそうだから、
もっと好きになってしまいそうだから、
怖いだけだった。
🩷勇斗side
最近の仁人は、前より少しだけつれない。
でも――
勇斗には分かっていた。
嫌われたわけじゃない。
むしろ、前より俺のことを意識してる。
だから、焦らない。
もっと好きになってもらう。
もっと俺を見てもらう。
そしていつか、
「企画だから」じゃなくて――
仁人自身の言葉で、
俺のことを好きだと言ってもらう。
その日まで、
俺は何度でも仁人にアピールする。
だって――
3ヶ月だけなんて、
最初から思ってないから。
コメント
5件
見るの遅れた〜〜😭! じんちゃんのツンデレ出てきた〜!!!やっぱりかわいい! てか最後の佐野くんのセリフ?最初から3ヶ月のつもりじゃないからっていうのは流石に惚れる笑
「好きになりそうだから距離を取る」仁人の気持ち、すごいわかる。言葉より態度が正直で、つんつんしちゃうのも、勇斗の「ずっと見てるから」「仁人のことなら何でもするよ」が重くて優しくて、胸がぎゅってなった。企画じゃなくて、ちゃんと「好き」って言える日がくるといいな。タルタルソースの秘密も可愛いし、2人の距離がちょっとずつ縮まってく感じがたまらない🤍
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