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tr視点
「久々に洞窟探検しよーぜ!」
突拍子もないことを言うのはいつものことで。
「えぇー⁈ぺいんとさんどうしたんですか⁈急にそれらしいこと言い出して」
「いやそれらしいことってなんだよ!」
そんな突拍子のないことにツッコミを入れるのもいつもの風景で。
「まぁまぁ、まずはあそこの村で物資を分けてもらおう」
空気を読んでるのかわざと読んでないふりをしてるのか分からない発言もお馴染みで。
「ちょっとクロノアさん、あんたまでなんでそんな乗り気なんですか!」
俺の前ではしゃぐぺいんととそれを咎めながらも満更でもない顔のしにがみさん。
それをなんやかんやで諭しながらまとめるクロノアさんを見てやっぱりこの人たちといて良かったなと思う。
「ちょっとトラゾーさんもこのおバカ2人止めてくださいよ!僕、洞窟なんか行ったら即死なんですけど!」
「大丈夫!俺がしにがさん守るから!」
「きゅん!…じゃねーよ!こういう時あなた止める役割でしょうが!」
「まぁまぁ、溶岩に気をつければいけるって」
「じゅいーん!」
つい笑っているとガバッと肩に腕が回される。
「トラゾー、俺のことは守ってくんねぇの?」
「…ぺいんとは……なんか大丈夫そうじゃん」
「おい!俺のことも守れよ!しにがみばっかずりーじゃんか!」
「流石の俺も2人は無理だって」
「じゃあ、俺はトラゾーのこと守るね」
親指を立ててこっちに笑いかけるクロノアさんにきゅんとした。
いや、我ながらキモいな。
「それは頼もしいですね。…あれ、でもそうなると実質3人をクロノアさんが守ることになりませんか」
「じゃあ俺がトラゾー守る!変なとこお前抜けてんだからさ」
「いえ、僕がトラゾーさん守りますよ!たまにポンコツになるんですもん」
「お前には無理だろ!」
「溶岩によく落ちるぺいんとさんには言われたくないんですけど⁈」
小競り合いが始まったと思っていたがよくよく言われたことを思い返すと、腑に落ちない気がした。
「守る側から守られる側になってる?…ってか、あれ?俺これ貶されてんの?」
3人は首を同時に横に振り、三者三様の声が重なる。
「「「いや、ギャップ萌え?」」」
「……ギャップ萌え?」
確かに自分は大事なところでヘマをするし、言われてるように抜けてるはポンコツであることは認めるが。
いや、やっぱり認めたくない。
「俺にそんなんあるか?クロノアさん、俺にそんなん要素あります?」
近くに寄って聞く。
「あー…自覚ないタイプね」
「1番厄介なやつだ」
「ホント、トラちゃんあんた自覚した方がいいですよ」
「えぇ…」
じぃっと見つめられて居た堪れなくなりたじろぐ。
「っ、は、早く村に行こう!」
見えている村に向かおうと走り出す。
「あ、おい!そんな急いだら…」
焦ったぺいんとの声を最後に見事に穴に落ちました。