テラーノベル
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🖤💙〜 香水 刷り込み〜
「しょっぴー、最近寝れてる?」
隣に座る翔太くんの顔を覗き込んで、目の下をなぞる
「ん〜、や、ちょっと寝つき悪いかも」
「やっぱり」
「え?そんなにわかりやすい?」
「んー、そこまでじゃないけど、なんとなくそうかなって」
「よく見てんな」
「しょっぴーだからだよ」
「………ありがと」
じっと目を見て少し強めに言った俺の言葉の意図をわかっているのか、わかっていないのか、ふいと目線を逸らす
「今日うちに泊まりにおいでよ」
「は?なんで?」
「体温あると寝れるって言うじゃん」
「俺がそんなタイプか?」
「わかんないじゃん。とにかく寝れてないなら色々試してみなきゃ」
「ん〜」
「それがなくても、しょっぴーとゆっくり話せたら俺は嬉しいし」
「まぁ、それは俺もそうだけど」
「じゃあ、いいじゃん。難しいこと考えないで、いつもみたいに気楽においで」
「ん、わかった」
「うん」
仕事が終わってうちに来て、いつも通り話に花を咲かせていれば、寝る時間になる
寝室に入ると、翔太くんはすんすんと鼻を動かす
「なんかいい匂い」
「うん、しょっぴーさ、寝香水って知ってる?」
「?…初めて聞いた」
「寝る時に香水かけて、リラックスできる香りの中で寝ると気持ちいいんだって。だから部屋の中にかけてみたんだけど、どう?」
「この香り、好きかも」
「ほんと?よかった」
「うん、爽やかだけど落ち着く感じ。なんかめめっぽい匂い」
「あぁ、確かに俺が普段使ってるのと少し近いかも」
「やっぱり。だからか」
「気に入ったならよかった。じゃあ、寝よっか」
「うん、おやすみ」
瞼が落ちかけている翔太くんの頭を撫でる
「ん……なに」
「眠れるようにね」
「ん…」
少し鬱陶しそうにされるけど、払い除けられることはなく、翔太くんは徐々に眠りに落ちていった
眠りにつくか、つかないかくらいのタイミングで、そっと翔太くんを抱きしめる
「…んぅ?」
気付いたものの睡魔には勝てなかったらしく、あっという間に夢の中だ
寝息が聞こえたのを確認してから、そっと腕を外して俺も瞼を閉じる
「しょっぴー、おはよ」
「んん、めめ?」
「うん」
朝、隣の翔太くんの頬を撫でて起こす
ぼんやりとしているうちに、ぎゅっと抱きしめる
「ん、おはよ。……あったか」
ハグしている状態だと翔太くんが気付いてしまう前に、体を離して顔を覗き込む
「しょっぴーよく寝れた?」
「ん、わりと寝れた方かも」
「そっか、よかった。たまにうちに泊まりにきたら?」
「でも、迷惑かけちゃう」
「そんなことないよ。それにしょっぴー来てくれたら話せるし。そしたら俺は嬉しい」
「ほんとに?お前忙しいだろ?」
「忙しいのなんてお互い様じゃない。べつに毎日でもないし、寝るだけだったら大丈夫」
「……じゃあ、お言葉に甘えて」
「うん」
それから、翔太くんはたまにうちに泊まりに来てくれるようになった
その度に寝室には、あの香りを漂わせる
翔太くんが眠りに落ちる前後に頭を撫でる、抱きしめる
そして朝起きて微睡んでいる時にも抱きしめる
そのうち、朝、俺が少し覚醒し始めて動くだけで、翔太くんの方から体温を求めてすり寄ってくるようになった
予定が合わなくて、翔太くんが最後に泊まりに来てから間が空いたある日の楽屋
少し翔太くんの顔色が悪い
「しょっぴー顔色ちょっと悪いよ?」
「まじ?」
ラウールもそれに気付いて心配している
「ちょっと寝ておいたら?」
「う〜ん、なんか最近眠りが浅いんだよね」
「え〜、大丈夫なの?」
「ん〜」
2人の会話を聞きながら、翔太くんにパーカーをかける
「俺のパーカー貸してあげるから、あったかくして寝ておいたら?」
肩にパーカーをかけた瞬間に薫りだった香水の匂いに、翔太くんが僅かに反応する
「ん、そうする。借りてていい?」
「もちろんいいよ」
「ん、ありがと」
ソファに寝転ぶ翔太くんの頭を、泊まりに来てる時みたいに撫でると、少しずつ瞼が落ちていく
そのうち、すぅすぅと小さな寝息が聞こえてる
ハグの代わりの熱を求めるかのように、ぎゅっと俺の手を握っている
俺は眠る翔太くんの横に腰掛けて、起こさないようにと、ラウールとメッセージをしながら、メンバーが揃うまでの待機時間を過ごした
「そろそろ始めるぞ。……目黒、翔太起こして」
「うん」
「しょっぴー、起きて?始まるって」
頬を撫でるけど、起きる気配がない
「んん」
「起こすよ」
「んぅ?」
時間もないので、頭の下に腕を差し込んで、そっとだが、半強制的に起き上がらせる
翔太くんの背中を支える腕を揺らすと、少しずつ覚醒してくる
「……めめ?」
「うん、おはよう。しょっぴーもう時間だって、起きて?」
体温を求めるように、すり寄ってくる背中を撫でる
「パーカーそのまま着てる?」
「ん、そうする。めめ、いつもみたいにぎゅっとして?」
「はいはい」
ぎゅっと抱擁を交わしながら、翔太くんにとってこれが、”いつものこと”になっていることに嬉しさを覚える
翔太くんの中で確実に、香りと俺と安心感が、結びついている
「ん、起きた」
「うん、今日も頑張ろ」
側で見ていたラウールが、面白いものを見つけたような顔をしていたのは、見てないフリをした
練習中も、今日はことさらにずっと翔太くんが俺の隣にいて、みんなそれを面白そうにちらちらと見ていたけど、誰も何も言わなかった
「めめ、今日行ってもいい?」
練習が終わって帰り支度をしていると、翔太くんが話しかけてくる
ほんのり頬が上気しているから、シャワーはもう終わったのだろう
ダンス中には脱いでいた俺のパーカーをまた羽織っている
「ん、いいよ。今日はこれで終わりだから」
「ありがと」
「そのパーカー着て帰る?笑」
「あ!…や!返す!お前が風邪ひいたら大変だ」
「そう?大丈夫だけど」
「ダメだ!ちゃんと着ろ!」
「はいはい。俺まだシャワーこれからだから、今はまだ着ておきなよ」
「いいの?」
「うん、あっためといて笑」
「なんだそれ笑 はよ行ってこい」
「うん」
去り際に頭をひと撫ですると、くすぐったそうにする
コメント
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🖤💙🖤💙🖤💙🖤💙🫠
やぅぱりkaede🍁さんは、めめなべ!!🥰🥰