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二時試験当日
たく「ついに来たな…」
山田「あぁ…」
重厚な金文字で『青拓高校』と書かれた重苦しい校門の前
辺りには様々な入学希望者が居た
山田「ほえ〜みんな弱そうやなぁ〜」
たく「こ〜ら、そういう事言わない」
あたりを見回しながら歩く
すると、眼の前に光の玉が現れた
??『はじめまして、本日貴方がたを案内させていただきます。ヒカリとお呼びください』
たく「…誰かの魔法か」
おそらく教師陣の物、そして全希望者分用意されてるとなると
莫大な魔力を持ったものだろう
山田「安直な名前やな〜」
ま、そないな事気にしてられへんのやけど
ヒカリの誘導に従うと、大きな建物の前に出た
ヒカ『魔族の方は右へ、人間の方は左の扉へお願いします。』
山田「待て、今から何が始まるんや?」
ヒカ『実力試験です。これより貴方がたには実力で勝ち抜いていただきます』
ヒカリが言うにはこうだ
まず、一次試験で残ったのは魔族と人間含め1000人つまり500ペア
ここからは500人に減らすために二次試験が始まる
二次試験はサバイバル形式でバトルを行う
それぞれ弱点の位置…まぁ脳天だな、そこを攻撃されれば終わり、脱落だ。
生き残りが500人になる…まぁ250ペアってところで終了、生き残ったものが三次試験に進める
今回は前年よりも一次で通る人数が多かったらしく、特例で二次が行われている形らしい
三次試験はトーナメント、一対一のタイマンで、人間魔族それぞれ分かれて行う
勿論どちらかが落ちれば終わりだ
ここのトーナメントで、トップ150‥75ペアまでを決め、その75組が試験を突破したとされる
つまり合格だ
山田「へぇ…面白そうじゃん‥」
たく「ただでさえ筆記ぼろぼろなんだから負けんなよ山田」
うるせぇうるせぇと噛みつき
山田「じゃ、また」
たく「おう」
そう言ってさっさと部屋に入っていく
部屋の中は広く、控室のような感じだった
まぁ俺もスラム育ちなわけで少し…いや結構汚れた服なわけ
そんな服を来た男が入ってきたからか、控室にいる人達からの視線が痛い
よーしこいつら真っ先に潰そ
怒りをしまい込みながら、指定されたロッカーへ
隣には赤いゴーグルを付けた男と、紫髪の男
向かいのロッカーにはピンクの髪の女のようなやつが居た
どれもこれも弱そうな相手ばっかだったが
この3人は面白そうだ
心の内でほくそ笑みながら、指定された制服と、ターゲットマークのシールを持つ
すると、シールが震え、風に飛ばされるようにして額に張り付いた
山田「うわだっさ…」
思ったことを口に出してしまうと
吹き出すような音と共に隣の赤いゴーグルの肩が震えた
山田「‥何わろとんねんそこの赤色」
??「わりぃわりぃw…素直すぎだろお前w‥」
クククと肩を震わせながら此方を向いてくる
水色の瞳とアホ毛が印象的なチビだった
山田「お前なんやねん、名乗れやチビ」
??「チビとは何だチビとは!俺ははるてぃー、お前は?」
山田「俺は天才山田様や」
はる「なんだてめー偉そうだな…」
すぐに噛みついてくる辺りこいつアホやなと自分を棚に上げて思ってしまう
赤いチビ‥もといはるてぃーは親友とトップを取るためにこの学校に来たという
親友とは、なんと遠い言葉だろうか
はる「俺昔虐められててさ、そいつらを見返してやりたいんだ!」
そう朗らかに言うはるてぃーは眩しくて
同じ物を目指さずには居られないやつだった
山田「なんや、一緒やないか」
明るく笑うはるてぃーと、お互いの健闘を祈り
グータッチしてから別れる
スタートまで残り五分を切っていた
たくぱんside
山田と別れて扉をくぐる
周りにはデミヒューマンばかり、たまにニンフも紛れてはいるが
正直相手にならなさそうなやつばかり
でも、俺の正体がここで知られれば…
きっと全員が俺に牙を向くだろう
もう賞金だってかかってるんだ
指定されたロッカーを開け、シールを取り出す
額に近づければ、吸い付くようにして貼られた
たく「なるほどねぇ…」
小さくつぶやき、慌ててだれにも聞かれてないことを確認する
猫の獣人じゃないとバレればきっと正体まで芋づる式でバレる
すぐに立ち直し、頭についた猫耳を少し動かす
大丈夫、俺は猫の獣人「柳瀬拓人」
深呼吸してから頬をパチパチと叩きやる気をだす
すると、後ろから知った気配を感じた
思いっきり振り返ると、そこにはかつての旧友
たく「…ザキア…」
ザキア・ミウタ…俺の親友で、悪魔
うた「…?なんで俺の名前を…?」
しまった声に出ていたかと、焦りつつも、必死に言い訳を探す
ザキアの家はもとより商人で無も知らぬ取引相手だっているはずだ
それにこいつは俺よりも良家の出だ、つまり有名
たく「いえ、魔界に居た頃少しお見受けする機会が有りまして…」
こう言えばきっと勝手に解釈してくれるだろうと、しっかりと猫の獣人の口調を意識しながら喋る
どうやら疑われてはなさそうだ
うた「そうか、君、名前は?」
たく「今は柳瀬拓人と名乗らさせていただいています。たくぱんとお呼びください」
うた「そうか、俺は…今は御崎詩だ、うたって呼んでくれ。よろしくたくぱん」
たく「はい、よろしくお願いしますうたさん」
固い握手を交わし、お互い衣服を着替えた
俺はピッタリとしたインナーに大きなパーカー、したはハーフパンツという
良く言えばラフ、悪く言えば手抜きな格好なのに対し
うたは黒のスーツに青のネクタイ、腰に裏地が青のつけマントを執事のように後ろに回し
金と銀の小さな小物が輝く重厚な装備
魔族側は衣装も様々で、種族によって扱いが違う
悪魔の衣装はうたのように綺麗でかっこいいが‥俺のような獣人、ましてや狼なんかじゃなく
家猫の種族は、せいぜいこんな格好だろう
まぁあまり重たすぎるても困るしなと負け惜しみまがいのことを思いながら扉から出る
高い寒空、大きなスピーカーから音がなった
『それでは二次試験、「サバイバルモード」スタートです』
快活な音ラッパ音とともに動き出す気配
みんな相手を探したりで必死なのだろう
山田「よっしゃ、暴れんでぇ〜!」
そう言って早速走り出そうとする山田の肩を掴み物陰に引き込む
山田「なにすんねん!」
たく「あのなぁ、お前はまず考えろ馬鹿、
がむしゃらに潰しても俺達がヘイトを買うだけ、ヘイトが集まりゃリスクが増える
ここはしばらく隠れていおいて、終わりがけに顔を出すくらいでいいんだよ」
説教を食らった山田は少し不機嫌だが、
それもそうかとなんとか理解してくれた
理屈では理解しているが、納得していないという顔だ
たく「…どうせタイマン勝負あるんだしそこで暴れれるだろ?」
それでも時間がかかるとぶつくさ言う山田
すると、スピーカーから大きな音がなった
『受験番号129ペア 脱落』
たく「‥1組目だな、ほら、片方が落ちればもう片方も落ちる、そんなに時間はかからないと思うぞ」
やっと機嫌が直り、ルンルン顔で待機している山田、
すると、上から声が降ってきた
モブ「何やってんだ…よッ、っと!」
わかりやすい氷魔法の目眩まし
上から降ってくる狼の獣人
モブ2「かわいがってやるよ…子猫ちゃん?」
にやりと笑いながら鋭い爪を見せびらかしてくる獣人
大きく振りかぶり、爪を振り降りし、俺の体を引き裂いた
なーんて思ってるんだろうな
つぶやきながら獣人の肩の上でしゃがみ込む
たく「お前遅すぎなんだが?何あの逃げろって言わんばかりのモーション、欠伸出るわ」
そのまま大きな欠伸をしてやれば、わかりやすくブチ切れ
モブ2「なんだてめぇは!!ぶっ殺してやる!!」
爪を振り回し突っ込んでくる
山田「無理やて、お前雑魚やもん」
そう言って大きな雷を起こし、獣人に叩き落とす
獣人の体中に電流が走り、毛皮はチリチリと焦げ、痺れて動けない様子
腰を抜かした契約主の方に近寄り、眉間に指を当てた
たく「にゃーん」
指に力を入れ、ターゲットマークに穴を開ける
『受験番号58ペア 脱落』
スピーカー特有の荒い音が聞こえた
山田「準備運動にもならんかったわ」
たく「別の場所行こうぜ」
そう言って移動しようとしたとき
狼が声を荒げた
モブ2「お前一体何なんだ…!猫の獣人のくせに…!!」
モブ「よせ、そういう事言うな…!」
なんだ、飼い主の方はまだ賢いじゃないか
たく「…なんだろうな?」
意味深に答え、そのまま歩き去った