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(気まずい……。すごく気まずいんですけど……)


奈美は、検査作業をしながら、背中に刺さる二つの視線を感じていた。


その場の空気が微妙になったのをリセットするように、谷岡が軽く咳払いをし、豪へ作業の説明を再開した。


「検査済みラベルを貼り終わったら、箱詰めして完成、緩衝材を入れ、梱包して発送という形になります」


「なるほど。丁寧に検査作業をしているのですね。少しの間、検査業務を見学させて頂いてもよろしいでしょうか?」


(え? 見学するの!? めちゃめちゃ緊張するし……!!)


心の中で叫んでいる奈美は、相当混乱している。


「どうぞ、ご覧下さい」


谷岡と豪が無言のまま、奈美の作業の様子を背後から見学していて、早くこの場から立ち去ってくれないか、と思ってしまう。


恥ずかしいやら、仕事がしづらいやら、脳内が取り乱し状態やらで、もう本当に勘弁して欲しい。


機械が作動している音だけが単調に響く中、奈美は心臓が口から出そうな気持ちを抑え、淡々と検査作業を進めていく。


どれくらい見学していたのか。


二〜三分程度だと思うけど、谷岡と豪が何十分とその場にいたように感じた。




「作業中にお邪魔しました」


豪がニコリと奈美に微笑みかけると、彼女も引き攣りそうな笑みで、


「ありがとうございました」


と、軽く会釈をする。


「それでは、行きましょうか」


「はい」


谷岡と豪が言葉を交わし、作業場を後にすると、奈美は大きくため息をついた。


ある意味『拷問』と呼べる工場見学が終わって以降、時間の流れが、あっという間に過ぎていき、退勤時刻の十七時を知らせるチャイムが鳴った。

ただ、それだけの関係……

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