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――翌日
私は、まだ誰も起きていない中で 一人目覚めた。
昨日の投票では、私は蘭ちゃんに投票した。
初日からあんなにもみちゃんを怪しがるなんて、ちょっとおかしいと思ったからだ。
だけどまだ確実では無いし、情報も少ない。
―――だから今日から、徹底的に一人だけを観察する方法で 見ていく事にした。
今日観察するのは……
もみちゃん。
もみちゃんがちょっとグレーな所があるから、もみちゃんだけを見る事にした。
そして私は布団を片付け、リビングに向かった。
「(えっと… 今日はまず、朝食を私が作ってみるか…。)」
「(そしたらどう反応するか…)」
その反応を見て、私は白黒付ける。
そう決めた。
―――そして数十分後
私以外の4人も降りてきて、全員が揃った。
そこで 朝食作りの準備を始めるもみちゃんに、私が話しかけた。
「もみちゃんっ!」
「あっちゃん!どうしたの?」
「うち、今日朝食作っちゃった!!」
「ええ!?あっちゃん、料理得意じゃないって言ってなかったっけ!?凄い!」
「えへへ、ありがと! じゃ、出してくね!」
「うんっ!」
「(もみちゃん、私が料理下手な事をきちんと理解してる… これは本物か…?)」
でも、たぶん偽物も そこら辺はきちんと分かって来てるはず。
じゃあ、偽物の可能性もあるか……。
でも、話し方は一緒なんだよねぇ…。
一旦昼の投票は もみちゃんの候補無し、かな。
私は自分の中でそう決めて、朝ご飯を食べた―――。
―――昼
今日も何事も無いまま、私達は昼の会議に参加していた。
何の手がかりも無ければ、誰かが怪しい言動を取ることも無い。
だけど、ここで誰かに4票以上入ってしまったら……
いや、そんな恐ろしいこと考えないでおこう。
そして今日も、私 ――亜衣奈が進行を努めることにした。
「えと… 怪しいと思う人、いる?いたら挙手してね…!」
「! あ、えと、みぃちゃんっ!」
「――― は、はい……っ」
「(みぃちゃん、珍しいな…。 よっぽど怪しい人でも居たのかな…?)」
みぃちゃんは立ち上がり、付けていたマスクをそっと外して 話し出した。
みぃちゃんは小さな声で、こう話した。
「えと… 私が怪しいと思う人は…、 えっと… その… 紅葉ちゃん、です…。」
「えっ、紅葉ちゃん?」
「は、はい…。」
「そしたら、それはなんで?」
「えっと…… メモを、取っていたから……」
「メモ…?」
「あぁ、これの事?」
するともみちゃんが、みぃちゃんに小さなメモを見せた。
「あ、それです―――っ!」
「これ、私のメモでね、怪しい言動を取った人をメモしてたんだ…!」
「へぇ…! 見せる事って、出来る?」
「んー… まぁ出来るよ。」
そう言うと、もみちゃんは机にメモを置いた。
そこには、こう書いてあった。
〜一川紅葉のめも〜
・蘭ちゃん➡いつも朝食で話しているけど、今日は静かだった。
・いつきくん➡いつも通り
・翠ちゃん➡いつも話さない場面で話す。
・あっちゃん➡たぶんいつも通り
「これが今日書いたメモ。」
もみちゃんはそう言った。
それを見たいつきくんが話し出す。
「じゃあ、これを参考に、紅葉ちゃんが怪しいと思った人たちを議論していこう。」
「うん。」
「そうだな… まぁ蘭ちゃんは緊張しがちな性格だから、話さなくなる事もたまにあったよね。」
「確かにそうだね。 コンテストに出た時なんて、ずっと無言だったよね!」
「うんうん。 まぁ一旦保留っと。」
いつきくんは 自分のメモに何かを書いていき、どんどん話を進める。
「翠ちゃんは… 普段あんまり喋らないよね。」
「そうだね。静かな性格だもんね!」
「じゃ、翠ちゃんが話してる時の記憶がある人はいる?」
「あっ、うち覚えてるよ!」
ここでやっと、私の登場だ。
私実は、もみちゃんを観察してる内に みぃちゃんが目に入って、さり気なく観察してたんだよね。
だから、はっきり覚えてるし メモも取ってる。
「これが、みぃちゃんの今日の全ての発言だと思う。」
ーみぃちゃんの発言
・ご飯中「美味しいね。」
・会話をしてるもみちゃんといつきくんに対して「メモ… 私も取ろうかな。」
・うちとぶつかった時「あっ、ごめん… 気をつける…っ」
「って所?」
「あー… まぁ、日常で有り得る話ではあるよね!」
「でもさ、いつも一言も喋ってない日とか多くない?今回は、質問とかもしてないけど話してるしさ。」
「うーん、確かにそうかも…(ちょっと怪しいか…?)」
「まあ分かんないよね… じゃ、そろそろ投票移る?」
「うん!」
もみちゃんの言葉で、私達は昨日と同じやり方で投票をした。
「じゃ、うちがまた結果発表するよ?」
「……せーの!!」
結果を見ると、こうなっていた。
・『一川紅葉』1票
・『二十里蘭』0票
・『四ヶ浦いつき』1票
・『五宮翠』3票
・『六倉亜衣奈』0票
「ほほう、みぃちゃんが結構多い結果か…。」
「ま、割れたね。」
「うん… もっと徹底的な証拠が無きゃダメだね…、、」
「明日、探そっか。」
「そうしよう。」
そして私達は、昨日と同じように夕食を食べて―― 寝ようと思っていた。
だけど私は、それが出来なかった。
就寝前、とんでもない事に気がついてしまったからだ―――。