テラーノベル
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『君は、俺の事を忘れた』
tg視点
春の風が、やさしく吹いていた。
俺は、校舎裏の小さなベンチに立っていた。
この場所で、何度も待ち合わせして、何度も笑い合って、
何度も「好き」って、言い合った。……はずだった。
だけど――今、その“記憶”は、俺の中にしか残っていない。
tg …ぷりっつ先輩
数週間ぶりに会ったその人は、やっぱり変わってなかった。
優しい目、ちょっとクセのある髪、手をポケットに入れる癖も。
全部、何度も見て、何度も触れた。俺の恋人だった人。
……でも、今は。
pr えっと……誰やっけ?
その一言で、胸がしんと冷たくなる。
そう。
事故だった。1ヶ月前、先輩は下校途中のバイクと接触。
大きな怪我はなかったけど、“一部の記憶”が抜け落ちたと聞いた。
よりによって――
俺と出会って、好きになって、付き合ってくれた、その期間だけが、
すっぽり抜け落ちていた。
tg ……後輩です。ちぐさ、です。生徒会のお手伝いで、一緒だったの、覚えてませんか?
自分で言ってて、泣きたくなるくらい“他人行儀”だった。
でも、それしか言いようがなかった。
pr ごめんな。病院でも言われててん、事故の衝撃で、ここんとこの記憶がちょっと飛んでるって
pr なんか変な感じやな……お前の顔、なんか懐かしい気もすんねんけど
優しく笑うその顔に、俺はまた、少しだけ期待してしまった。
でも――思い出してないんだ、やっぱり。
tg ……無理に思い出さなくて、大丈夫です
俺の声は、ちゃんと笑ってたかな。
せめて、涙だけは見せたくなかった。
付き合ってたことを話せば、先輩は困るかもしれない。
覚えてないって言われるのが、怖かった。
tg また、会えてよかったです。先輩、元気そうで
そう言うと、ぷりっつ先輩は穏やかに笑った。
pr ありがとな。ちぐさ、やったな……また話しかけてや
うん、そうやって呼んでくれて、ありがとう。
たとえ“恋人”じゃなくても、名前を覚えてくれた。それだけで今は十分。
でも――ほんとは。
“いまもずっと、好きなんです。先輩。”
その気持ちは、言葉にできないまま、
俺の胸の奥に、そっと仕舞った。
♡▶︎▷▶︎▷500
新作ですっ.ᐟ prtg.ᐟ.ᐟ
・ぷりっつさんが記憶喪失
・記憶喪失になる前、prtgは付き合っていた
って感じ.ᐟ 設定はこんくらいー.ᐟ
おつ主.ᐟ🫶💕︎︎
コメント
4件
最高なのはどうやって責任をとってくれるのでしょう?
ぷりちぐになったか、、、けど尊い! いつも見てます👀今回も最高でした!