「ごめん、翔太…別れて欲しい…」
【大事な話があるから…】と
宮舘の家に呼び出された渡辺は…別れ話をされていた
「えっ…俺、何かした?」
きっと、自分が何かしでかしたのだろうと聞いてみたが
「翔太は何も悪く無い…全部、俺のせいだから…」
責める事を一つもせず…
全て、自分の責任だと言い続ける
「じゃあ…理由、聞かせてくれる?」
「…今の俺には、翔太の恋人でいる資格がない…」
「資格?」
「最近、仕事が忙しくなって来て…翔太の事を考える時間が減って来た。今の俺には、恋愛をする心の余裕がない…そんな状態で翔太と付き合い続けるなんて、ありえない」
何処までも真っ直ぐで、何処までも不器用…
宮舘は、自分にも他人にも厳しくて優しい…真面目な男だった
「でも俺は、涼太とまだ一緒に居たいよ…。忙しくて中々会えなくても我慢するし…だから、俺っ…!」
突然の事で、パニックになりながらも…縋るような思いで言葉を紡ぐ
目の前が涙で滲み、涙声になりながらも一生懸命想いを伝える…
「ごめん…」
何度考え直して欲しいと懇願しても、宮舘の気持ちは頑なだった
「涼太…どうしても駄目?」
「ごめん…」
「………」
「………」
「……分かった」
ヨロヨロと立ち上がった渡辺は、玄関の方に向かって歩いて行く
「涼太…今まで、本当にありがとう。楽しかった…」
「翔太…ごめん…」
「最後くらい、謝らないで見送って…」
「あぁ…すまない…」
「だから…って、もう良いよ。俺は涼太の事応援してるから…」
「俺も、翔太の事応援してる」
「うん…ありがとう…それじゃ、俺はもう行くね。今まで、ありがとう…」
そう言った、渡辺の目から一筋の涙が溢れる…
こうして、2人の恋は終わりを告げた…