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この小説はまだ続きそうですね… 僕が諦めなければの話ですが…
「お父さーーーーん!!!!!」
今、ハヤテの声が聞こえた。
私は急いでその方向へ走っていた。
ハヤテはなぜここにいるのか…それを早く知らなくては。
走ってハヤテの方へと向かった。
すると、ハヤテがだんだんと見えてきた。 ハヤテは倒れていた。
「大丈夫か、ハヤテ!」
私はハヤテのそばへ駆け寄った。 頭痛がしているようだった。
「うん、大丈…夫… 少しあたまが痛いだけ。」
ハヤテは起き上がった。
「それよりさ…お父さん、思い出したことがあるんだ…」
私達は家へ帰り、私はハヤテの話を聞いた。
その日、私とハヤテは車に乗ってどこかへ出かけた。そしてそこで交通事故に遭ってしまい…
― 私は…死んだ。
そう…考えるのが妥当か…? 私はそれでも信じられずにいた。
しかし、あの女はハヤテは生きていると言った…
ということは、私は死んだがハヤテは奇跡的に生きていて、なんらかの理由でここにいる…と考えていた。
―『何かヒントはあると思うよ』 あの女の言葉を聞いて思い出したことがある。
私は、この山小屋に引っ越す前に小説を執筆していた小説家だった…まあ、それも作られた記憶なのかもしれないが…
そのため、家には何冊も本があった。
私はハヤテを寝かしつけた後、その本を読んでみた。
その本は、亡霊がある女に付き纏い、怪異を起こしてしまう所から、物語が始まる。女はそれに段々と耐えられなくなり、除霊をしに行く。そこで女は除霊師に告げられる。
「あなたに憑いている霊はあなたに関係のある未練があるようですね。それを感じて、成仏させた方が良いでしょう」と。
実は、その霊は自分が女に、ここにいると気づいて欲しかったのだ。そして女はその霊が何故成仏できないのかが分かり、亡霊は無事、成仏して、物語は終わる。という話。
違う本も読んでみた。
恋人同士の二人の内一人が海外留学をしに行こうとするが、離れ離れになりたくない二人が引き留め合うが、最終的には留学を決意し、新しい一歩を踏み出す物語。
ある日行方不明になってしまったパートナーを探して、夫が手がかりを集め、捜索するにつれ、真相へ近づいていく物語。
など、様々な小説があった。
「ヒントねぇ~………うーん…」 何かこの小説達には繋がりがあるのだろうか。
共通点としては、どれも物語の鍵を握るのは二人という点か? あとは…誰かのことを思う心によってできた物語だという所くらいだろうか。
そういえば、私とハヤテがこっち側に居るという事は、私の妻は生きているということだよな…
―『その人の記憶が反映される』
この小説達には、私の生前の記憶が反映され、作られているのか?
私はまだ、私の物語の真相が分からずにいた。
ちょっと待てよ?
なんで私は生前の記憶が無く、偽物の記憶が差し込まれているんだ?
なぜ私はそれを覚えていない?
思い出したくない理由が、生前の私にはあったということか? なんなんだそれは。
気づけば日付を越していた。
「一旦考えるのやめるか…明日も手がかりを集めよう。」
様々な疑問が残る中、私は明日へ備え、眠りについた。
OVER 第三章 『手がかり』 完