テラーノベル
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暗い個室
無機質な壁、固定された椅子
その中心に拘束された暇72が座っていた
彼の前にはLAN
その横にすち
背後の壁にもたれかかるように、こさめ
誰も言葉を発しないまま静寂が数秒流れる
最初に動いたのはLANだった
腕を組み、わずかに身を乗り出す
ー
LAN、──聞きたいことがいくつかある
暇72、……答える気はねぇよ
LAN、それでも訊く
暇72、好きにしろよ
LAN、─目的は?
暇72、……
LAN、何のためにこさめを追っていた?
暇72、…答える義務がない
LAN、じゃあ──誰に依頼された?
暇72、……知らん。命令されただけだ
LAN、誰に?
暇72、知らねぇって言っただろ
すち、ん〜記憶ないわけじゃないよね?
それとも上からの命令しか聞かないタイプ
暇72、は?
LAN、──どこに住んでる?
暇72、…言うわけねぇだろ
LAN、なら、キルシュトルテ軍団の
他のメンバーを教えてくれる?何人いる
暇72、……仲間を売るはずないだろッ
こさめ、じゃあ自分だけは助かりたいって
わけじゃないんだ?
暇72、……は? 勝手に判断すんな
LAN、じゃあ─
いるまって名前に聞き覚えは?
暇72、……知らねぇ 誰だよそれ
LAN、最後にもう一つ
お前、昔─孤児院にいた記憶はないか?
暇72、俺が孤児院なんかに
いるわけないだろ 俺は最初から──
ずっと軍団にいるッ!
……それ以外の記憶なんか、ねぇよ……
すち、らんらんどうする?
LAN、証拠がない お前がいるまの
大切な人だったって証拠もどこにもない
だが名前を聞かせるだけで何かが反応する
と思ったんだけど
すち、ねぇ……らんらん、こいつ本当に
なつくん?なのかな
いるまちゃんが言ってた“なつ”
今ここにいるこの子が、
そうだとしたら… ちょっと、悲しすぎるな
こさめ、感情も記憶も、全部誰かに
捨てさせられたのかもしれないって
ことか、
暇72、……、ッは、?
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