私の学校には変な人が居る。
いつも私にちょっかいかけてきてそれで最後に『ねぇ今どんな気持ち?』って聞いてくる。
「しーずーくちゃん!!」
急に後ろから声が聞こえ、振り返った。
と同時にその人に体を押され、尻もちを着く。
「ねぇ今どんな気持ち?」
笑みを浮かべながらそんなことを聞いてくる細目の君。
「別に」
いつもと同じ声を返す。
藍沢 琉生side
「別に」
今日も同じ答え。
つまらない…
だけど、無視されるよりかは楽しい。
「雫ちゃんは今日暇?」
「まぁ…」
「それが何?」
「聞いてみただけ〜!!」
「ねぇねぇ、どんな気持ち?今どんな気持ち?」
そういつものように聞くも、
今日は無視してどこかへ行ってしまった。
最初の頃は返事してくれたのになぁ〜…
ま、いっか。
今日もいつものように着いてこ────
「藍沢、ちょっと来い」
そんな時、先生に呼び止められてしまう。
なんだよ空気読めよバカ教師。
「…なんすか」
「『なんすか』じゃねぇだろ」
「分かってんだろ?」
言わなきゃ分かんねぇし。
「いや分からないっすね〜」
「俺超能力者じゃないんで〜!」
笑みを含めた返しをすると
「いいかげんにしろ!!」
と大声で俺を怒鳴る。
なんだよ。
別に何もしてないじゃんか。
『超能力者じゃない』そう事実を喋っただけだが?
「なんすか?あ、先生…もしかして俺のこと……」
「超能力者だと思ってたんすか?」
「いや〜残念っすね〜!!」
「俺、全然超能力者じゃないんで〜!!」
そう返すとまたもや怒られる。
意味分かんな。
あぁ、早く雫ちゃんのとこ行きたい。
マジ時間ロス。
「いいか?藍沢」
「もう二度と天野に付きまとうんじゃないぞ」
「あと嫌がらせもだ!!」
そう言い放って先生はどこかへ行ってしまった。
いぇ〜い!!俺の勝ち〜!!
そう心で言いながら後ろ姿の先生に向かってピースサインをかます。
「あ、雫ちゃん教室に居るじゃん〜!!」
「探してたんだよ〜!!」
そう言いながら2組に入り、
雫ちゃんの机に腰掛ける。
その時、雫ちゃんの机に何かが描かれているのが目に入る。
「何これ」
そう呟きながら見る。
と、そこには雫ちゃんを侮辱する言葉ばかりが描かれていた。
「ふ〜ん…」
そう声を零したと同時にほぼ後ろら辺から女子の笑い声が聞こえる。
「ね、雫ちゃんの机に描いたのやつの犯人、君?」
座っている女子に目線を合わせ、
そんなことを聞く。
「そうだけど…」
「何?」
ギロリと少し睨みながら答える。
「虐めてくれてありがと〜!!」
「でも虐めるならもうちょっとやんないとさ〜」
「意味無いよ?」
「今の君らなんて、小学生以下〜」
目の前でつらつらと言葉を並べる。
と、ぽかんとした顔を向けてくる。
それを見て、一瞬で察する。
『きっと怒られると思ったんだろうな』って。
その時、横目で雫ちゃんを見るとなぜか俺の方を見ていた。
「何?雫ちゃん…」
「もしかして、助けてくれるかもって期待しちゃった?」
「今、どんな気持ち?」
「悲しい?俺のこと嫌いって思った?怖い?」
「どれ?どんな気持ち?」
そう責めるように声をかけていく。
が、雫ちゃんは無表情のまま
「別に」
と答えるのみだった。
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