蒸し暑いエレベーター内に、毒毒しいキノコの臭いが充満した。
看護婦さんは目だけキョロキョロしているが、体が動かないようだ。
ぼくは二階のボタンを押した。
「大丈夫さ。二階へ行ったら、すぐに助けてあげる。嘘をついてごめんね……今度はぼくが助ける番だ」
動くことができない看護婦さんの手から、カルテを取り出し。開いてみたけど、何が書いてあるのかさっぱりわからなかった。
今になって看護婦さんに嘘をついたことを、ひどく後悔した。
ぼくは羽良野先生を探すことにした。
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