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視点 🧣
「……休憩しようぜ」
「珍シイ。ラッダァガ休憩トカ言ウノ」
「うるせぇ。たまにはいいだろ」
昨日の夜。レウさんを救助してから。
あまりにも疲れた俺はそのままベットで爆睡………できればよかったけど。
みどりがゲーム機を持ってきて結局明け方に眠りについた。
それも叩き起こされ朝からゲーム………
「もー疲れた!」
「じゃあ海行かない?
今はかき氷フェスやってるみたいだし」
「行く!!」
レウさんの提案に勢い良く返事をし明日出発になった。
__________________
幻夢界の海は、相変わらず現実感がない。
波は静かで、空と海の境界が曖昧だ。
砂浜に腰を下ろした、その時だった。
ひらり、と
何か紙切れが風に乗って転がってくる。
「ん?」
拾い上げる。
――海底神殿 特別体験キャンペーン
――モンスター史初期に建造された神殿を、期間限定で公開!
「……は?」
思わず二度見した。
「なにこれ、観光?」
「神殿ヲ娯楽ニ使ウトカ、罰当タリ」
「別にええんやない?」
「なんなら逆に気にならない?」
俺は勢いよく立ち上がった。
「行こうぜ!期間限定だぞ!?ロマンだろ!」
「……嫌ナ予感ガ」
結局、
俺がごね倒して行くことになった。
海底神殿は、想像以上に古かった。
石柱は摩耗し、壁画はほとんど読めない。
「特定エリアのみ立ち入り可、ねぇ……」
その時。
「……?」
みどりの姿が、消えた。
「おーい。みどり?」
返事がない。
嫌な予感しかしない。
立ち入り禁止の表示を越えた先。
薄暗い通路で、みどりは何かを調べていた。
「おい、勝手に――」
声を出そうとした瞬間。
喉が、ひゅっと詰まった。
「……っ!?」
声が、出ない。
みどりが、こちらを一瞥する。
「少シ、黙ッテテ」
呪いだ。
完全な沈黙。
その直後――
通路の奥から、声がした。
「……下位の者が口答えするな」
「も、申し訳……!」
海妖族。
数人。
「序列を忘れるな。
血筋も、力も劣る分際で」
「次は罰則で済まんぞ」
冷たい声。
命令。
絶対服従。
……ヤベぇの、聞いちまった。
しばらくして、足音が遠ざかる。
完全に静かになったところで。
「……解除」
喉が解放された。
「っは……!」
「……ヤバイノ聞イチャッタ」
「ほんとヤバイわ……」
二人で顔を見合わせる。
その時。
「――なにしてるの?」
奥から、声。
振り返ると、
紺色の髪をした海妖族が立っていた。
「……っ」
「大丈夫。告げ口はしないよ」
少し疲れた笑顔。
「立ち入り禁止だし、本来なら罰則だけど」
肩をすくめる。
「こっちがめんどくさいし今回は見逃すからさ」
「……あ、ありがとうございまーす」
全力土下座案件。
「帰り道、分かる?」
「……分かんないです」
「だよね〜」
彼はくすっと笑う。
「神殿、迷路みたいだから。案内するよ」
道中。
「俺はコンタミ。海妖族、中級位
現場監督みたいなもんかな」
「監督?」
「上からの指示を、下に流す役」
その時、気づいた。
「……コンタミさん、目の下」
隈。
くっきり。
「あぁ……これ?
仕事、忙しくて。寝る時間なくてさ」
「そんなに?」
「うん」
でも、
どこか歯切れが悪い。
「……上は?」
一瞬、沈黙。
「……あまり、現場には来ないね」
察した。
「……なるほど」
数日後。
「海ニ忘レ物シタ」
「は?」
「多分、アソコ」
みどりが気まずそうに目を逸らす
嫌な予感しかしない。
案の定。
海中で見つけたのは――
「お前の管理が甘いからだ!」
怒号。
コンタミが、頭を下げていた。
「申し訳、ありません……!」
「言い訳するな!」
上級階級の海妖族。
明らかに、理不尽。
「……」
俺は、拳を握った。
みどりも、無言で見ている。
「部下の失敗は、お前の責任だ」
「はい……」
その背中は、
あまりにも疲れていた。
__________________
夜。
俺は、コンタミに声をかけた。
「ねぇ」
「ん?」
「その働き方、身を滅ぼすって言われたことない?」
一瞬、目を丸くする。
「……ない、かな」
「じゃあ言うわ」
「その世界、クソだ」
沈黙。
「上下関係、絶対服従、搾取」
「……」
「そのままでいいのかよ」
肩をすくめる。
「俺等さ、第三勢力になろうって話なんだけど」
「一緒に来ない?壊す側」
「……壊す、側」
コンタミは、海を見た。
「……正直、逃げたいとは思ってた」
「でも、逃げ場がなかった」
「今はあるけど?」
少し間。
「……給料とか」
「知らん!」
「住む場所とか」
「何とかなる!」
「……雑すぎない?」
「俺が雑だからな」
沈黙。
やがて。
「……いいなぁ」
小さく笑う。
「選べるって」
そして。
「……こんな俺でも良ければ」
顔を上げる。
「一緒に見ても、いい?」
「逆にコンタミじゃなきゃやだ」
俺は即答した。
「この世界、壊す常識いっぱいあるからさ」
こうして。
海妖族・コンタミは、
第三勢力に仮加入した。
「コンちゃんって呼んでいい?」
「いいよ」
目の下の隈をを忘れる未来が来ればいいな。
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名前 コンタミ
年齢 174歳
海妖族
ポジション ディフェンサー
武器 薙刀(なぎなた)
性別 男
魔法 毒
中級、初級技の例
初級 ポイズンボール
初級 スリップインク
中級 アシッドタイド
中級 ミアズマフォーム
身長 184cm