※職場での描写がありますが、全て作者の妄想です。現実は分かりません。
家を出て右を見れば、少し離れたところに大通りがあり、住宅街の端であることが分かる。
駅までら数十分歩けば着く距離だが、すぐそこにタクシーがいたためタクシーで行くことにした。
「どちらまで?」
「えっと…駅までで。」
「あいよ。」
車はスムーズに動き出し、大通りに出る。
窓の外を見れば、たくさんの人と車が行き交っている。
談笑しながら通学する高校生、犬を連れて散歩するお年寄り。身なりを整え、姿勢良く歩くOL。
いつもとかわらない平穏な風景は、自分を安心させる。
たった数分の間に、駅に着いてしまった。料金を払って、駅のホームに入る。
通勤ラッシュの人混みで何となく落ち着かない。
ICカードの残高を確認し、少しお金を入れてから改札を通り、電車に乗った。
電車の中も人でいっぱいで、押し潰されそうになるほどだった。
密集によって起こる蒸し暑さに耐えながら、最寄り駅に着くのを待つ。
『まもなく、品川駅。品川駅に到着いたします。お出口は左側です。』
最寄り駅に着くアナウンスが流れ、1.2分たって電車が止まり、ドアが音を立てて開く。
人の流れをかき分けて外に出る。
またもや改札に人が沢山並び、次々と通過していく。極たまに『残高不足デス。』の無機質な声と共に列の動きが止まる。
駅を出て数分歩けば、自分の勤める会社のビルが見えてくる。
入口で出勤カードを切って、すれ違う人に挨拶をしながら自分の席に着く。
自分の席に着けば同期のイタリアとドイツが声をかけに来てくれる。
「おはようなんね、日本!」
「おはよう日本。」
「おはよう、2人共。」
挨拶をし、軽く談笑した後、始業時間になり黙々と事務作業なりなんなりを始める。
今日は会議も何も無い日だ。道中の自販機で買ったコーヒーを飲みながら資料に目を通し、パソコンに打ち込む作業を続ける。
昨日頼まれていた打ち込み作業も終わっていない箇所があったため、そこも含めてやる。
あっという間に昼休憩がやってきて、イタリア、ドイツと共にコンビニに昼食を買いに行く。
10分程度で会社に戻り、フリースペースにて3人で昼食を囲い食べはじめる。
「そういえば、2人共。母さん達は元気なんね?」
「あぁ、元気だぞ。今日も色々話しながらプレッツェルを食べてた。」
「僕のところも元気だね。ちょっと前まで体調を崩してたけど、今日は顔色が良かったなぁ。」
「ioのところも元気そうだったんね。そういえば、今日母さん達が3人で出掛けるって言ってたんね!」
イタリアがそう言い出した時、ちょうど母さんからL○NEが来た。
『ナチとイタ王と出かけてる。』
チャットが送られてきてからかなり後に写真も送られる。(どこから送るのか分からなかったのかな…)
3人でのスリーショット。昔見た戦時の写真と変わらない顔で笑顔を浮かべている。
その光景が微笑ましくて顔が緩んだ。
いつの間にか昼休憩の時間も過ぎ、2人と別れてまた事務作業を始める。
あの写真を見て、母さんと出かけてみたいなと少し思ったりもした。
コメント
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クソッ最速で読みたかった……!