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王城から家路に着く馬車の中、私は外の景色も見ずに物思いに沈んでいた。
先程の茶会でサイラス殿下の口から出た祖国・グエンタールの名。
例えグレイスとして生まれ変わっていようとも、聞けばたちまち舞い戻る。
否、グエンタールは私の存在そのもの。刻まれたものが剥がれ落ちることはない。
ああそうだ、どれだけの時を経ようとも忘れることはない。――忘れられるはずもない。
けれど、無意識に目を背けていたのだと、私は認めなければならない。
自覚とともに、喉に焼けつくような熱さを感じて、慌てて手を当てた。
背を丸めて、短い呼吸を繰り返す。
違う。これは錯覚だ。熱くなどない。
己に言い聞かせるように頭の*******
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