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本当は月曜の朝まで放さないつもりだった。時間の許す限り、馨を抱いていたかった。
いきなりがっつくのも……。
あの様子だと、考える時間が必要だろうからな……。
連絡があればすぐにでも迎えに行くつもりでいたが、馨からの連絡はなかった。
月曜日。
同じ会議に出席していた黛の俺を見る形相と言ったら酷かった。今にも喉笛に噛みついてきそう。狙っていた女を掻っ攫われたんだから、当然だ。
会議の後、企画課の打ち合わせで馨と顔を合わせた。部長である俺と、各課の課長三人と、主任が四人。
彼女はいつもと変わらない挨拶をして、俺を一切見ず、打ち合わせに集中していた。
まったくいつも通りってのも……な。
俺は今の今まで馨のことばかり考えていたのに、彼女はそうではなかったらしい。週末、なんの音沙汰もなかったことも、不愉快だ。
本当に……これまでの女とは勝手が違う。
打ち合わせが終わったのは、昼休憩の十分前。
「馨」
俺は全員の前で、馨を呼んだ。わざと、名前で。
「今すぐ俺の部屋に来い」
口をパクパクさせて立ち尽くす彼女を横目に、俺はミーティングルームを出た。
怒鳴りこんで来るぞ。
期待を裏切らず、馨はノックもせずに部屋に飛び込んできた。
「どういうつもりですか!」
恥ずかしさからか、怒りからか、それとも両方でか、馨の顔は真っ赤を通り越して青白くなっていた。
「お疲れ」と言って、俺はデスクから立ち上がり、打ち合わせ用のテーブルに移動した。
「みんなの前でっ――! あんなっ――!!」
「悪い。ついうっかり……?」
「嘘っ! わざとでしょ」
馨の反応は面白い。
俺の前で飾るつもりがないからか、感情のままに表情がくるくる変わる。
「どっちだっていいだろ?」
「いいわけ――」
俺は馨の唇をキスで塞ぎ、テーブルに押し倒す。
「んっ……」
固く閉じた唇をこじ開け、舌をねじ込む。
「はっ……。んんんっ――!」
彼女の口の中を舐め回し、舌を絡ませる。
シャツ越しに胸に触れると、馨が手足をバタバタさせて抵抗した。足の間に立ち、テーブルから落ちないようにする。
スカートならこのまま挿《い》れられるんだけどなぁ。
馨がスカートを穿いているのを、見たことがない。多分。
脱がせてみて分かったが、馨は着やせするようで、思っていたよりも肉付きが良く、触り心地が良かった。決して太っているわけではない。女らしい柔らかさがあって良かったというだけ。
他の男に見られないだけ、いいか。
煙草をやめて五日目。馨を抱いていた時は忘れていたのに、帰した途端に口さみしさが蘇った。昨日はほとんど一日中、ガムを噛んでいた。
キスだけで勃つとか……。
禁煙の影響か、キスがいつも以上に気持ちよくて、パンツが張り詰めていく。圧迫されて痛みすら感じる。
やべぇ、止まれねぇ。
本当に挿《い》れるつもりは少ししかなかった。オフィスセックスしてみたかったけれど、昼間だし、やはり落ち着かない。けれど、馨に触れた途端、秒速で理性が崩壊した。
唇を離さず、シャツのボタンを外し、ブラジャーを下ろす。ブラジャーの上に着ているつるつるした肌触りのキャミソールはどうしようもなかった。けれど、胸の先端が硬く勃ち上がっているのがキャミソール越しに見えて、それはそれで興奮した。
「こんなっ……トコで――っ」
キャミソール越しに舌で転がすと、先端は更に硬くなった。
「やっ……」
チュウッと吸い付くと、彼女の身体が仰け反った。声を出さないように、口を手で押さえている姿に、また興奮を覚える。
片方を舌で、片方を指で刺激し続ける。足の間に硬くなったモノを押し付けると、諦めたのか彼女の身体からふっと力が抜けた。
「馨……」
耳元で囁き、耳たぶを舐めると、馨の目にうっすらと涙が浮かぶ。
「少し……のつもりだったんだけどな……?」と言いながら、彼女のベルトを外し、パンツを足から引き抜く。一緒にショーツも。
濡れていた。
「身体……痛くないか?」
ずっと仰け反った状態の馨の身体をテーブルの上にしっかりと乗せた。自分のベルトを外し、ボクサーパンツの前を下ろすと、驚くほど丁度いい高さに収まった。
これ……癖になりそうだな……。
ゴムを着けて入り口付近を擦ると、馨が小さな声で何か言った。グイッと身体を密着させて、顔を寄せる。
「何か言ったか?」
「……やく……」
口を押える馨の手をずらす。
「ん?」
「早く……」
聞こえたと同時に、馨が腰をずらして、俺をのみ込んだ。
「――っく!」
油断した隙を突くように、一気に押し寄せる快感。待ってましたと言わんばかりに締め付けられて、俺は唇をギュッと噛んだ。
「ザマーミロ」
馨が悶える俺を見て、言った。
やってくれるじゃねーか。
俺は大きく深呼吸をして、体制を立て直した。
「仕掛けたのはお前だからな。声、出すなよ?」
「んんんっ――――!」
時間を掛けられない分、ハイペースで激しく突き上げる。同時に入り口の上を指で擦ると、締め付けがきつくなった。
馨が声を殺して首を振る。
イキそうなのだろう。
腰の動きも指の動きも緩めずに攻め続けたら、馨の身体が強張り、膣内が痙攣した。
いつもなら耐えるところだが、快感に逆らわずに出した。
「諦めろ、馨」
余韻でぐったりしている馨に、キスをする。
「お前は俺のモンだ――」