テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
その週の休み
「あ、葵君!ごめんね遅くなって」
「あぁ大丈夫だ」
なんとか医師達に許可をもらって
1日だけ外出の許可をもらったらしい
「体大丈夫か?」
「大丈夫、ありがとう」
「そっか、なら行くか」
「うん」
連はものすごく楽しそうな顔をしていた
子供みたいな
いや、まだ未成年だから子供だけど
幼い、小学生みたいな雰囲気だった
電車に乗るだけでルンルンで
少し見ていて楽しかった
「ねぇ、葵君あれってなんて言うの?」
「うん?あぁあれは海だな」
「海?」
「あ~一面水がある?みたいな」
「へ~」
ずっとあんな所にいたからか
ほんの少しの事でも珍しいものを見るみたいにはしゃいでいた
そして
1時間かけてやっとついた
「でっか~」
「確かにデカイな」
調べたが茜がすすめたのは
今最も有名な水族館で 設備も最新型
少し楽しみだった。
まぁ理由はそれだけでは無いが…
「どうかした?」
「え?あぁ大丈夫」
「そっかなら行こ」
「うん」
「葵君見てみてこの魚青い色だよ」
「あぁ~これ映画のあの魚じゃん」
「この魚葵君そっくり」
「…どこが?」
「ん~何となく?」
と、小悪魔みたいな可愛らしい
笑顔を見せた
俺を殺す気か…
「葵君、これって何?」
「キーホルダーって言うんだ」
「キーホルダー?」
「鞄とか筆箱とかにつけるグッズかな」
「へ~」
基本は水族館に来てもここまではしゃぐ高校生はいないだろう
ショーを見ても店に行っても
魚を見てもいつも連は楽しそうで
初めて見るものばかりなんだろう
そう思うと連れて来て良かったという思いとほんの少し痛かった
この痛みって一体なんだろう…
「連、少し休むか」
「うん」
さっき買ってきた飲み物を渡すと
両手で包み込む様に持った連は
まっすぐに目の前の水槽を見ていた
中には大きな魚がいた名前は…知らん
俺はそんな連を見ていた
連は神秘的な何かを見ているかな様な顔だった
その顔は周りが暗いから分からないが美しかった。
そしてそんな楽しい時間はすぐに終わった
「はぁ~楽しかった~」
「そうか」
「葵君は?」
連は俺の方を見て微笑みかけながら
聞いてきた
「あぁ俺も楽しかった」
「そっか、なら良かった」
嬉しそうな連の顔を見ると
俺の方が嬉しくなる
「なぁ、連」
「うん?どうしたの?」
「その、時間があったら少し良いか?」
俺はとっさにこんな事を言い出した
内心自分でも驚いている
そして、俺は連をある場所に連れていった。