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僕は、可愛くなりたいと心の中で思う。
そう、思うだけである。
ただ、周りの環境がそうさせてくれない。
親にスカートを履く所を見られ泣かれたことがある。
その時、今後はスカートを履くことは駄目と思った。
それからは隠れて行うようになった。
家では男として過ごし、心の中で可愛くありたい。
願う気持ちを抑え付け、自分の心を殺して過ごす。
しかし、そんな地獄も終わりが来る。
念願の一人暮らしとなる。
アパートに引っ越した。
それからは今まで抑えていた部分が爆発したかのように、服を買った、化粧もした、部屋もぬいぐるみや可愛く飾り付けた。
女の子として生きるように、それが日常だと言うかのように。
しかし、そんな幸せも突如として終わりを告げる。
いきなり母親が押し掛けてきた。
何も連絡も無った。
宅急便かと思い、いつもの部屋着である猫を着ていた。
母親はそれを見て、最初は固まっていた。
そして、何かを察したかのように上がろうとした。
部屋には上げたく無く抵抗はしたが、抵抗も虚しく上がって行った。
そして、部屋を見て開口一番
「あんたをこんな風に育てた覚えは無い!」
そう言われた。
私だって、本当は女の子として産まれたかった。
女の子として生きたかった!
その時初めて親に口答えをした。
母親は何も言わず。
私の頬をひっぱたいた。
頬がジンジンするなか、「これで済んだ?早く帰ってそして一生顔を見せないで、あんたの顔なんか見たくない!」
そう言った。
あいつは何か言いたげな顔をしたが、何も言わずドンドンと足音を立てて帰って行った。
暗い部屋の中で、1人紙に書き記す。
それまでの嫌だったこと、辛かったこと、私自身の過去の全てを。
全ての準備が完了し、首に縄を通す。
一瞬苦しくはあったが、すぐに意識は途絶えた。
私、何か間違えた?
遺書の最後はそう締められていた。