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性別

1 - 第1話

2022年06月25日

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僕は、可愛くなりたいと心の中で思う。

そう、思うだけである。

ただ、周りの環境がそうさせてくれない。

親にスカートを履く所を見られ泣かれたことがある。

その時、今後はスカートを履くことは駄目と思った。

それからは隠れて行うようになった。

家では男として過ごし、心の中で可愛くありたい。

願う気持ちを抑え付け、自分の心を殺して過ごす。

しかし、そんな地獄も終わりが来る。

念願の一人暮らしとなる。

アパートに引っ越した。

それからは今まで抑えていた部分が爆発したかのように、服を買った、化粧もした、部屋もぬいぐるみや可愛く飾り付けた。

女の子として生きるように、それが日常だと言うかのように。

しかし、そんな幸せも突如として終わりを告げる。

いきなり母親が押し掛けてきた。

何も連絡も無った。

宅急便かと思い、いつもの部屋着である猫を着ていた。

母親はそれを見て、最初は固まっていた。

そして、何かを察したかのように上がろうとした。

部屋には上げたく無く抵抗はしたが、抵抗も虚しく上がって行った。

そして、部屋を見て開口一番

「あんたをこんな風に育てた覚えは無い!」

そう言われた。

私だって、本当は女の子として産まれたかった。

女の子として生きたかった!

その時初めて親に口答えをした。

母親は何も言わず。

私の頬をひっぱたいた。

頬がジンジンするなか、「これで済んだ?早く帰ってそして一生顔を見せないで、あんたの顔なんか見たくない!」

そう言った。

あいつは何か言いたげな顔をしたが、何も言わずドンドンと足音を立てて帰って行った。

暗い部屋の中で、1人紙に書き記す。

それまでの嫌だったこと、辛かったこと、私自身の過去の全てを。

全ての準備が完了し、首に縄を通す。

一瞬苦しくはあったが、すぐに意識は途絶えた。


私、何か間違えた?

遺書の最後はそう締められていた。

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