~何も死別だけが別れじゃない~
御幸side
『そういえば知ってるか?KOのそのスマホ。』
スマホの事を言ってきたので知ってることは聞いてみた。
『あー、あれでしょ。仲間を探すのに有利とか、エリア探しにも有効とか。』
『知ってるのかよ、つまんねぇなぁ。ま、使い方は教えてやるよ。』
スマホを私から奪い取った。画面を見せながら言う。
『掲示板ってとこ押して、少し呟いてみろ』
…Twitterみたいな?まあいいや。えー
【ゴーストシティにいるKOです。誰か協力できませんか。】
これでいいか。すると思ったよりすぐに返事が来た。
【蓮です。協力というよりかは、人と会いたいです。】
うーん。私も一人じゃ心細いしな。
【わかりました。では、一番高い塔のところでいいですか?】
【はい、急いで行きます。】
なんか、大人っぽい子だな。大人なのかもしれない。私よりずっと前に来てたりしたら殺されるかな…?それより塔に向かう事に専念だな。
『おい、仲間が見つかったみたいだな!けど、気をつけろよ。』
心配してくれてるのかな。可愛い。
『大丈夫だよ。』
塔を目指して歩き出した。
思ったよりも近かったみたいですぐについてしまった。
『まだ来ていない…かな。』
スマホを開いた瞬間、後頭部に何か当たる音がした。
『動くなよ。今は何持ってる?あと、手を上げろ。』
嘘…え、この人が蓮…くん?子どもっぽい声だな。すると先が視えてきた。
『俺は蓮。これは拳銃だ。おとなしくしたら何もしない。』
『えぇ、分かった。貴方ここに来てどれくらい?』
次の瞬間
『ぎぎぎ…』
こっくり様が動いた。
しばらく呆気にとられていたようだ。
『俺は蓮。これは拳銃だ。おとなしくしたら何もしない。』
視たのと…同じ…!
『えぇ、分かった。貴方ここに来てどれくらい?』
『ぎぎぎ…』
こっくり様が蓮くんを転かした。
『うわっ』
尻餅をついた蓮くんは痛そうな顔をしている。
『私、KO。仲良くしましょう。』
そういって手を伸ばすと蓮くんは顔を青ざめてこっくり様を見た。
『協力するよ。騙してごめん…』
彼はしぶしぶ手をつかんだ。
蓮side
ってて。こいつらなんだよ。元々居たのか?なんかきつね…あいつ怖いな。下手に刺激しないでおこう。情報はできるだけ渡さないように…
『何歳?ここに来てどれくらい?あと、蓮くんって呼ぶね。』
質問攻めしてきやがるこの女…KOだっけか。
『14歳、さっき来た。蓮くんでもいいよ。』
は?俺が勝手にしゃべってる…もしかして。…牛の首…か。
「共鳴は牛の首だよ!牛の首は勝手に話し出すからね。気をつけて!」
とか言われてたな。あーだるすぎ。
『蓮くんは大切なもの見つけた?』
『うん、見つけてる』
全部言うなよ…。
『じゃあ、ID交換しとこうね』
ID…あぁ
『あぁ、いいぜ。』
やっと喋れた!この女…絶対に悪いひt…
『私、やっぱ家に帰りたくない。少し遊ぼう』
……は?さっき殺そうとした俺だぞ?なのに遊ぶって…
『そうね、推理しましょう。この世界を作ったのは、誰かしら?』
とっさに言ってしまう。
『ねずみ、女じゃないのか?』
『あの子は違うんじゃない?あんな子供よ?』
確かにな…うーん。
『俺たちの想像が作ってるとしたら?』
合点が行くはず。
『それは私も考えた。けどそれなら現実でどうなってると思う?』
『…これは夢って事か?』
『でもそれなら人は殺せないし、痛いと感じることもないよね。』
さっきの尻餅掘り返しやがったこいつ…
『まぁ、それはそうかもな』
…こいつ、賢いな。敵に回すと危ないか。
「現在4時、現在4時です。あと2時間」
…もうそんなに。とりあえず、帰って考えよう。
『なぁ、早めに帰ろうぜ』
『私もそのつもり』
俺らはこの世界について推測しながらドアまでむかった。
「なぁ、アイリーン。あいつらもう馴染んでるぞ。」
「それでいいの。あの子には頑張ってもらわないと。」
僕はアイリーン。この世界の総監督兼作者だ。横でマスターが言ってる。仲良くさせたら面白くねぇって。仲いい方が良いと思うんだけどな。
「私はアイリーンの気持ちはわからないよ。けど、君は似てる。」
「何に?」
「…私の初恋の子だよ。けど。もう会えない」
…
「そんな過去があったんだなぁ」
もうすぐ六時だ…マスターは掃除に取りかかろうとしてる。
「みんな、可愛いモルモットみたいだな」
マスターは意味深な顔をしていた。こっちも仲良くしないとな。
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