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百鬼清風
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#イケメン
高遠すばる
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#初小説
鬼卍。
70
深夜、リゼリアはヒューの屋敷を抜け出し、門の外へ出た。門扉を閉めて道を確かめると、向こうから超高速で五つの人影が近づき、リゼリアの前に並んだ。
顔も、身に着けた物も見えない。闇魔法で姿を覆っているため、見えるのは人の形をした黒いシルエットだけだった。
「揃ったわね」
五人はリゼリアの前で足を止め、頭を下げた。
彼等は、リゼリアの考えに賛同する竜人の中で最も強い五人の戦士だった。亡き兄に仕えていた者もいる。皇帝が王国との融和を選んだ後も、こうして彼女のもとへ来た者達だ。
この五人なら、アーサーを討てる。さらに、王国の要人達を暗殺するのもたやすい。
「アーサーと、この国の要人達を殺しなさい。エルデン王国が、今までと同じ力を保てないように」
一人が顔を上げ、答えた。
「直ちに取りかかります」
「ええ。頼んだわ」
五人は一礼すると、門前を離れた。それぞれ別の方向へ一瞬で飛び去った。
リゼリアは全員が消え去ったのを確認し、門を開けた。自分が人質として暮らす家へ戻り、門扉を閉める。
明日も、学園では普段どおりに振る舞う。今は彼等に任せ、自分の命令が露見しないようにするだけだ。
門が閉まる音を、アグネスは屋敷の窓辺で聞いた。明かりを消した室内に立ち、少し開けた窓から、リゼリアが玄関へ戻っていくのを見送る。
王女が五人へ下した命令は、全て風系の上位音波感知魔法ウィスパー・サーチで聞き取っていた。その能力は、ジュリアン以上だ。
姿を隠した相手は五人。姿や誰なのかまでは分からない。けれど、殺す相手にアーサーの名や国の要人を挙げたことも、命令を受けた五人がすぐに散ったことは、聞き違いではなかった。
リゼリアが屋敷へ入った後、アグネスは窓を閉じ、アーサーへ送る短い手紙を書いた。リゼリアが命じたことと、五人が行動を始めたことを記し、侍女としてヒューの屋敷に移動していたクララに渡す。
「アーサーへ至急渡してちょうだい。朝まで待ってはいけないわ」
「かしこまりました」
クララの乗る鹿毛の馬を裏口で見送ってから、アグネスは廊下へ戻った。明日の朝も、リゼリアにはいつもどおり声をかける。そのために、今夜の外出に気づいたと悟らせるわけにはいかなかった。
コメント
1件
おお、やっと動き出したね! リゼリアの覚悟が本気で、裏で五人もの精鋭を動かしてるのがゾクゾクするわ。でもアグネスがウィスパー・サーチで全部聞いてたのが最高に頭いい……この対立構造、たまらん。次どうなるか気になって夜しか寝れんわ🔥