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「ウーウー」俺たちは今パトカーに追われている。「追いつかれる!スピード上げて!」そうDが言うと、俺はアクセルを踏んで道路を高速で走った。数分走ると、目の前に森が現れた。周りの道は全て警察に塞がれていたため、俺たちは森に入ることにした…。森の前には『地獄』と書いた、看板があった。「地獄?」とBが言ったが、すでに警察が近くに走ってきていたため、なにも考えずに、森へ走った。しばらく走ると、「もう警察見えないよ」と、Bが言ったので、走るのをやめた。「あの看板に地獄って書いてあったよ?」と、Bが不安そうにいった。「あっそ」と適当に返して、無視していた。そうして歩いていくと、長い吊り橋が見えた。吊り橋の下はそこが見えず、真っ暗で不気味だった。しかも、吊り橋は古く、今にも壊れそうだった。「なにこれ…」「まさかこれ渡るんじゃないよね?」みんながざわついていると、「いや、わたる」とAが、いいだした。「絶対落ちるって!」とBが言っても、Aは無視して、橋を渡り始めた。Aは慎重に一歩ずつ進んでいき、何とか渡り切ることに成功した。Aが渡り切るや否や、Cが、「俺も行く」と言い、橋を小走りで渡った。何度か落ちかけたが、なんとかわたりきったCは、「早く来いよー、察に捕まりテェーのかよ?」と言い、Aと、先に進み始めた。「まってよ!」そうBがいうと、Bは、Aより慎重に、渡り始めた。Aの倍以上の時間はかかったが、Bは何とか渡りきり、俺とDの後ろを指さして、「きてるよ!」と抑えめな声で言った。Dは、後ろに迫っている警察をみて、走って橋を渡り始めた。順調に進んでいたが最後の最後に、バランスを崩し、Bが差し伸べた手に捕まることができず、落ちていってしまった。「D‼︎‼︎」Bはそう叫んで、泣き出してしまった。AとCは、急げと俺に言って、Bを落ち着かせはじめた。俺は少し急いで、でも慎重に橋を渡った。Aより少し早いくらいのスピードで渡り切れた。渡り切ると、警察が来れないように、橋の板を一つ外して、先を急いだ。10分ほど歩いたところで、俺たちは息を呑んだ。またあの橋があった。困惑しながらも、仕方ないと、Aが渡り始めたが、最後の最後、渡り切れると思った時に、Aは落ちてしまった。「うわぁぁぁぁあ」Aの断末魔は聞くに耐えないもので、Bはまた泣き出してしまった。今度はCが、俺は絶対に渡り切るといい、渡り始めた。しかし、緊張しすぎたせいか、すぐに落ちてしまった。俺とBは呆然と、立ち尽くし、ただただ、吊り橋の下の闇を見つめていた。そして、俺は渡ろうと決心し、歩き始めた。「まってよ!何で渡るんだよ?」そうBに聞かれたが、俺は無視して、吊り橋を渡り始めた。俺は何故か、この橋を渡らないといけないと言う、使命があるように感じた。その時は、それが警察から逃げることよりも大事なことだった。俺は渡り切ることだけを考え、慎重にすすみ、ついに渡り切れた。そして、Bをよんだ。Bは吹っ切れた様子で、橋をわたり始めた。Bが橋を渡っている時間は、何時間とも感じられた。そしてついにBが渡り切ると言う、その時、Bは足を滑らせた。咄嗟に俺が出した手にBは捕まることができたため、Bがすぐに落ちることはなかった。俺は俺の使命が、Bをここで救うことだったのではないかと思うと、複雑な気持ちになった、そして何故だか、俺がした、唯一の良いことを思い出した。この瞬間まで思い出せなかったことが、一瞬で全て、頭の中に入ってきた。俺は昔、この吊り橋で、Bを助けた。一回じゃない、何十回,何百回いや、何千回も…。今の、この状況は昔から何度も繰り返している。『無限ループだ』俺はこのループから抜け出さなければならない。何かを変える、そのためにおれは、Bを掴んでいた手を、離した。その瞬間おれは、周りが真っ暗になっていた。その闇から抜けた時、俺は落ちていた。気づいたら、地獄と書いた看板の前にいた。周りには、A B C Dがいた。Bは俺を睨んでいて、他のみんなはボーッと看板を眺めていた。みんな何かを知っているような、そんな顔つきだった。みんな何も言わないが、全てを知っていると表情で分かった。警察はもういなかった。でも、「まだ、逃げ切れたわけではない」