ホーホーー、ホーホー
「グッドモーニング!!!って夜か、、、」
昨日、私は吸血鬼となった。まだ確信は得られないが血を飲めること、バカみたいな力があるからなんか多分本当なのだろう。
昨日のことがあまりに濃すぎてそのまま眠れず、周りが明るくなってから眠りについた。洞窟は寒くて、固くて、、、もうホントに最悪だった。
「家が欲しいな、、でも村とか行ったら何されるか分からないしなぁ。」
一文無しでこの森へ来て1日、早くも大きな問題に直面してしまい、頭を悩ませる。そんな私の脳に電撃が走った。
「そうだ廃墟に住めばいいじゃーん!そうすれば人住んでないし?誰も来ないでしょ!」
我ながら天才的な発想。そうとなれば出発だ!細かい問題なんて無いのと同じ、やらないで後悔するよりやって後悔する。これは昔から私が大事にしている言葉でほとんどのことで自分を正当化できる魔法の言葉だ。
今のこの夜は私を誘うような、そんな雰囲気を出していた。いかにも何か出てきそう。吸血鬼とか。 あ、私か
「はぁ、、全然無いんだけど!」
出発して何分たったのだろうか、かなりの時間歩いたように感じる。私は前から足は早かったが今は桁違いで、とんでもない速度で走ることが出来る。探索はかなり捗ったが、それでも見つからない。それもそのはずでここはかなり深い森、そんな簡単に見つかるハズもなく、、、
「あっ、あった」
そこには間違いなく廃墟があった。真っ黒い家、ボロッボロで人の気配はゼロ。これぞ私の求めた廃墟!ここに決めた!
ギイイイ
ドアを開けるとそこには使い古された椅子、テーブル、本棚などのものが揃っていた。さすがに時計は止まっていて4時45分程を指していた。
「めっちゃ不吉じゃーん。」
私は読書などもしないし、食べ物も血でいい。だからテーブルでさえいるのか分からないがまあいいだろう。何故なら、、、カーテンがあるから!カーテンがあるだけで日光はほぼ防げる。このカーテンがほぼ無傷なのは最高だ。
「さあ何しよう♪人狩り?寝る?どうしてもいいなぁ!」
そんなテンションMAXでウキウキの私に謎の声がかかる。
「あ、、あの、、」
「?????」
「えっ、、あっ、住んでおられましたか、、あの、、失礼しましたァ!!!」
まさか人が住んでいるとは思わなかった。ほんとに申し訳ない、許してくれ。全速力で逃げる準備をする私にその少女が声をかけてきた。
「あ、、あの、、貴方は吸血鬼なのですか?」
「え、、、今なんて?」
「貴方は、吸血鬼ですか!?」
びっくりした。私の正体がバレていたということ、まぁ当てずっぽうかもしれないけど。それにしてもなんでこんなことを?
「まあ、そうだけど。何か?」
「本当ですか!?」
「本当よ、で何のよう?」
「やった!あ、、実は私もなんです。ずっと昔からここにいて、、、もし良かったら、ここに一緒にいてくれませんか!」
おっと予想外。まさか私と同じ吸血鬼だったとは、なんか嬉しい。それで一緒に住みたい。か、、、どうしよう、住めるのはとても嬉しいが1人じゃないのは、、、
「そうですよねダメですよねこんなに弱そうですし、、、」
私が悩んでいるとそんな声が聞こえて来る。もうそんなこと言われたら断れないよ!
「わかった、いいわ。私はカミラ。よろしくね。」
言っちゃった~~~~~~~~しかも名前は今考えた即興。でもその少女があからさまな笑顔になると嬉しくなった。
「本当ですか!?ありがとうございます!私はラズカと言います。よろしくお願いします!」
「よろしくねラズカ。」
こうして私とラズカの生活が始まった。その日はちょうどラズカか取ってきた人間の血をのみ、寝た。明日から色々忙しくなりそうだ。
3話 終わり
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