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アクアは矢の雨の中を突っ切る。だが、自分に飛んできた矢は全てダイアモンドの剣で切り落とす。

それはまるで、舞うかのように、矢の雨の中を進む。

そして、数体スケルトンを切り倒した。

その勢いのまま、アクアはスポナーの所まで一直線で突き進む。

着いたと同時に、アクアはスポナーに向かって剣を振り下ろした。

バギッと割れる音が響いた。そして、残ったスケルトンを一掃した。

すまない先生もXも、もう増えてこないスケルトンに対し、剣を奮った。

✵✵✵✵✵

「あー・・・きっっつ・・・」

すまない先生は剣のタングに顎を乗っけた。Xもゼェゼェ肩で呼吸をしていた。

「二人共、大丈夫?」

唯一アクアは何故かケロッとしていた。

「・・・もう何体倒したか分からない・・・」

「疲れた・・・本当に疲れた・・・」

ぐったりしている2人に、アクアは苦笑していた。

だが、その2人の後ろには、どこから来たのかクリーパーが爆発寸前だった。

「っ!!」

アクアは2人を押し飛ばした。そして、押し飛ばした瞬間、

クリーパーが大爆笑を起こした。

「「アクア!!」」

すまない先生とXが慌てて駆け寄る。煙が晴れ、周りのブロックは粉々に。そして、アクアが倒れており、背中に大火傷を負っていた。

「アクア!!」

「おい!!治癒のポーションはないのか!?」

「ちょ、ちょっと待って!!たしか、ここに・・・」

と、すまない先生が自分のインベントリから治癒のポーションを取ろうとした。だが、

「あいたたたー・・・」

突然声が聞こえ、2人はギギギとアクアの方へ目を向けた。

うつ伏せに倒れているアクア。むくりと、顔を上げた。

「あー痛かったァ〜」

「「ぎゃあああああああああああああああっ!?!?」」

思わずXとすまない先生は大声を上げた。そんな2人に対し、アクアはと言うと、

「え、うるさw」

と、鼻で笑うかのように笑った。

✵✵✵✵✵✵

「だ、大丈夫なのか???」

思わずXがそう聞くと、アクアはケロッと答えた。

「ん?大丈夫だよ?にしても、あのクリーパーの爆撃を直で受けるとこんなに痛いんだなぁ・・・死ぬかと思った。まぁ、“死んだけど”」

サラッと言った言葉に、2人は目を丸くした。

「「死んだ!?」」

「うん、あれ?言ってないっけ?」

そして、アクアは答えた。

「・・・“僕は不老不死”なんだ」

そうアクアはハッキリ答えた。それに2人は言葉を失った。

「いつからって聞かれると、いつからなんて答えること出来ないかなぁ?僕、とある事情で大半の記憶無くしててさ、風夜くんから聞いたんだけど、いまいちピンと来てないというか、なんというか?」

と、アクアはペラペラ話すが、2人は言葉を失ったまま、ポカンとしていた。やがて、すまない先生ははっとし、叫ぶ。

「いや、その前に!!怪我は!?あの怪我じゃ・・・」

すまない先生はその先の言葉を紡げ無かった。なぜなら、

爆発を直に受け、大火傷を負った“はず”の背中は

“怪我一つ無かった”

それに2人は目を丸くした。先程赤黒くなっていた背中は傷ひとつ無い。服が一部焦げているから、爆発を受けたことはわかる。

「あ、悪いんだけど、アートルム達には内緒にしてて?アートルムにバレたらめちゃくちゃ怒られちゃう」

と、アクアは苦笑いでそう頼んだ。

✵✵✵✵✵✵

「あ、おかえりなさい」

と、アートルムがそう返す。帰ってきたころはもうすっかり夜になり、途中でXと別れたのだった。

「うん、ただいまー」

と、アクアは素通りしていく。ふと、すまない先生の様子が可笑しいことに気がついたアートルムは聞いた。

「どうしました?」

すまない先生は躊躇うように、アートルムの疑問に答えた。

「・・・あの、アクアって・・・本当に、不老不死なの?」

そのすまない先生の疑問に、アートルムは答えた。

「“そうですよ”」

と。たった一言。

「・・・本当に、不老不死なんて、いるんだ・・・」

「・・・あの人は、大昔、とあるモンスターを倒した際、不老不死の呪いを受けたんですよ」

「待って!?大昔!?いまアクアは何歳!?どう見ても僕と同い年に見えるけど・・・」

「さぁ?・・・彼自身も分からないらしいですよ。長く生きすぎて」

そのアートルムから伝えられた真実に、すまない先生はただ目を丸くすることしか出来なかった。

「・・・彼は、長い長い年月を経ったひとりで生きていました。その中では、私たちそっくりな生徒と出会い、看取りを繰り返し、心が壊れかけ、とある方法で全ての記憶を失ったのです」

「・・・失った」

「えぇ・・・ただの人間が“不老不死”になるとああなってしまうと風夜・・・ではなくて、ウィオラはそうこぼしてました。・・・たまに、不老不死を望む人間を見ますが、私たちにとっては、なんでそんな不老不死“なんてものを”求めるのか、意味が分かりません」

それは、少し冷たく、鋭い言葉のような気がした。

「・・・ところで、何故突然不老不死のこと?」

「・・・え、あ・・・ええっと・・・」

「・・・・・・」

しどろもどろのすまない先生に、察しがいったのか、アートルムは立ち上がり、アクアを追いかけた。

(ごめんアクア・・・)

軽くすまない先生は合掌した。

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