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いつものように、朝6時に起床。
rbrの優しい声が耳に届き、驚きと共に瞼を開けた。
しかし、それはインカムからの声だったようで
自分が少しアホらしく思えた。
内容は、いつも通り会議室に集まれとのことだった。
俺は2度寝という悪魔の囁きから逃れ、重い腰を上げた。
いつものオーバーオールに身を包み、
言われた通りに会議室へ向かう。
向かう道中、emさんにあった。
何やら少し驚いた顔を浮かべたemさん、
俺の顔になんかついていたかと、さりげなく手で顔を触った。
sha)…emさん…?なんか、ここで会うの珍しいな…?
em)あー、確かにそうかもしれないですね!
em)私ー、いつも図書館の方から向かってますし!
普通に話しているだけなのに。
emさんは特にいつもと変わった様子は無いのに。
何故だか俺は
emさんに苛立ちを覚えていた。
sha)……そか
冷たい態度をとってしまったのもこのせいだろうか。
em)えっ………あ、はい
sha)それじゃ、先いくな
em)あ……はい…?
emさんの呆気取られた顔を見ると、
なんだか面白く思えてきた。
そんな自分を、最低だなと蔑んだ。
なんだかおかしい。
自分でも分かるほどに今日の俺はおかしい。
いつもみたいな笑顔が浮かべられない。
いつもみたいな明るい素振りができない。
いつもみたいな話題が出てこない。
いつもみたいにメンバーと接せない。
いつものこと、がいつものことじゃ無くなってしまったよう。
いつもなら、俺は誰かに相談するだろう。
でも、
今は”いつもの”ではない。
相談する必要は無い、と早々に振り切った。
俺は足早に、emさんの元を離れた。
無意識に早歩きをしていたのか、今日はなんだか早く食堂についてしまった。
集合時間の30分前ということもあり、
今はまだ誰も居ないだろうと踏んでいた。
だから、扉の隙間から人影が見えた時
目を丸くした。
でも、それはよく見てみると
目の下に濃い隈を作った、tnだった。
tn)お、shaやん
sha)……おはよ
tn)…………
tnが黙り込んでしまった。
どうすればいいか、頭の中で自分に問いかける。
俺は咄嗟に、何か明るい話題を振ろうとした。
あぁ、そうや
今の俺にはそんな器用なことは出来ないのだった。
tnは隈がとても酷い。
相当寝れてないんだろうな、と踏める。
もしかしたら、疲れが溜まりに溜まって話す気力がないだけかもしれない。
そう無理に自分に考えを押付け、沈黙を突き通そうとした。
tn)……sha、…なんかあったんか…?
sha)……え?
俺の目論見が大きく外れたことと、
予想より斜め45度ズレた話題が振られたことに、
俺は間抜けな声を出す他なかった。
tn)…いや、なんかな
tn)いつもの…shaの元気さが…なんか全部無くなっとるような気がしてん、
自分が抱いていたことは、
やはりた人目から見ても同じなのか。
呑気にそう考えている自分に嫌気が差す。
sha)…いや、そんなことないで…?大丈夫やから、
重い沈黙の後
tn)………そうか
この一言が、部屋全体に轟き響いた。
そんな雰囲気の中、多少の気まづさは残りつつも
なんとか会話を続けた。
そして、続々と幹部が集まってきた。
俺の次にsyp君とciが一緒に来ていた。
syp君が歩幅やスピードを合わせて、仲良さそうに話しながら。
そして、いつもは遅刻常習犯のutu、そしてknが続いた。
2人によると、zmの食害回避の為に
昨日は2人でutu先生の部屋で寝て、お互いを起こしたらしい。
…この話を聞いたtnが
目を丸くして驚いていたのはここだけの話。
tn)…あ、grさんは来れへんのやって、な
そうなると、残りは4人となった。
俺は、さっき会ったemさんが来ていないことを
少し気掛かりに思っている。
何か、気分を害してしまったのか。
確かに、さっきの俺の態度は誰でも嫌に思うだろう。
もし来なかったら、後で図書館へ出向いて
少し謝ろう、とまで考えていた。
その10秒後にemさんはsnと来た。
噂をすればなんとやらとは本当だな、と感心した。
どうやらemさんは医務室に用があったそうで、
朝は医務室に寄るために、ルートを変えていたそうだ。
俺はさっきのことを謝ると、笑って受け流してくれた。
そして、時間ギリギリにzmが現れた。
息を切らしている様子から、相当急いできたのだなと踏むことが出来る。
また、いつも遅刻している2人も揃っていて、
合法的な食害行為が出来ないことに気づき、少し表情が暗くなったような気がする。
それに気づいたのは、きっと俺とemさんだけだろう
俺らは残る1人を待った。
集合時間はすぎて、
いつも遅刻してる2人がなんだか囃し立てているが、そんなものは気にせず
静かにrbrが来るのを待った。
しかし、時間が過ぎてもrbrが現れることは無かった。
utu)……なぁ、流石に…あのrbrがこんなに遅れるって…
utu)…なんか、あったんちゃうか?
そう、ut先生が今言ったように
rbrは俺らの中でも、滅多に遅刻をしない優等生なのだ。
なんかの理由があって遅れる時は絶対に連絡を寄越してくるほど。
tn)…うーん、せやなぁ…
zm)…あんさ!俺ー…rbrの部屋行ってみてもいいかぜ?
znがそう話を切り出してきた時、俺はとても不快感を覚えた。
こんな感情が自分の中にあったのかと驚くほどの気持ち悪さ。
嫉妬でも、強欲でも、なんでもない
ただのひとつの感情が爆発的に俺を襲った。
sha)ッ……
でも、俺は我慢した。
この雰囲気を壊さないように。
できる限り、みんなにとってのshaを崩したくなかったからだ。
俺は気持ちをすっと押さえ込み
sha)……ええんと、ちゃう…?笑
数分後、zmが会議室に戻ってくる。
zm)なんか、rbr頭痛いらしいわ
zm)一旦ベットで寝とる
utu)へぇ、あいつが頭痛か〜
全員の言葉が聞こえない。
声は聞こえるが全く耳に入ってこない。
正直俺はrbrが来なくて内心ほっとしている。
なぜなら俺は、あいつに合わせる顔がない。
昨日の回想
rbr)………ふざけんな
sha)………ん?
rbr)ふざけんなって言ってんねん!!
俺は身体を震わせた。
これまで聞いたこともないようなロボロの怒号に。
rbr)人の為やとか…ほんまにアホらしい
rbr)まず自分を守らんと!!何もうまれへんやろが!!
その言葉は、何か大切な事を思い出す。
rbr)自分を1番大事にするんや!!
rbr)そして、余裕があったら人を守るんや!!
rbr)自分が1番で、他人は2の次でええ!
rbr)優先順位くらい!!……間違えたら、あかんッやろ…
rbrの声がどんどん震え混じりになる。
きっと雑面の下では、大粒の涙を我慢しているのだろう。
沈黙を挟んだ今、rbrの呼吸が乱れる。
そして
rbr)……ッ…
涙が溢れる。
sha)……rbr
rbr)……俺が…俺が……
rbr)………どんだけ心配したと思ってん……!?
sha)!
そう涙ながらに訴えるロボロの姿が
過去の自分と重なったような気がした。
それでも俺は、
人に迷惑はかけたくない。
もう二度と
あんな過ちは繰り返さない。
心配をかけないように
せめて最期くらい、安心させかった。
sha)rbr、俺は…
sha)大丈夫やからさ!な…?
……でも、
rbr)簡単に大丈夫って言うなや…
sha)え、
俺の薄っぺらい言葉で、
汚い綺麗事で、
rbrの涙が詰まった言葉に打ち勝つことは出来なかった。
rbr)大丈夫な訳…あらへんやろ……
rbr)大丈夫 って言葉の意味を!!履き違えとんのちゃうぞ!!
大丈夫の……意味……。
これまで幾度となく使ってきた、言葉。
言葉の意味とは、変わり得ない事実だと思い込んでいた。
そんな思考が
いつしか俺の首を絞めた。
rbr)…………あんなぁ…
さっきまでとは打って変わった弱弱しい声で
俺に語りかける。
その姿はまるで
____俺の恩人のようだった。
rbr)……お前、がッ……なんでそんなに…思い詰める必要があるん……?
やめろ。
rbr)…お前はッ…何のために…自分を…抱え込むん…?
やめろ、やめろ。
rbr)俺には………お前の善意の意図がッ…見えへんねんッ…
頼む、やめてくれ。
rbr)…お前ッ…は、
rbr)………
言葉を聞く前に、俺は体の温もりを感じていた。
sha)………ッへ…
rbr)…ほんっまに…優しい奴よな…
他人を助け続け、自分を蔑ろにした結果の未来が
自らを手にかける自殺だった。
そんなシャオロンを涙ながらにとめることに成功したロボロ。
そんな2人のやり取りを書いたお話。