テラーノベル
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めんだこっち
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月戸 夕空
4
雨。私にとってそれは、何も考えなくていい時間。
私の愛する慈愛の涙。暗雲にのみ生を受ける。哀れな彼ら。
灰を満たす。濃い。濃い。コンクリートの濡れる香り。
私が虚無に生を受ける、故意によって傷つけられない時間。
私は雨に生き、雨に死にたい。
わけを話すのは、愚か者のすることだ。
ただ、虚無に生きられれば、それが無にして全なのだ。
コメント
1件
雨音と静寂が溶け合うような、とても詩的な回でした。「何も考えなくていい時間」という冒頭に、一気に引き込まれました。無駄な言葉を削ぎ落とした文体が、むしろ深い孤独と諦念の美しさを際立たせていますね。「虚無に生きられれば、それが無にして全なのだ」という逆説的な結びが、切なくも鮮やかに心に残りました。短いながらも、読むたびに違う表情を見せてくれそうな、そんな一編です。