コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ーー大海原、そして未知なる大陸へ。
船が沖へと進むにつれ、見慣れた日本の地は遠ざかり、水平線の彼方へと消えていった。玲央はマストの上に登り、風を感じながら目を閉じる。
「ふぅ…いい風だ。」
「おお、玲央!そんなところにいるとは、まるで船乗りだな!」
龍水が下から見上げ、豪快に笑った。
「ノってきたねぇ!風も波も最高じゃん!」
玲央は軽くマストを蹴り、身軽に甲板へと飛び降りる。
「おお、華麗な着地だねぇ!」
ゲンがひらひらと手を振りながら近づく。
「さてさて、航海の間にやることはたくさんあるよ。科学王国の仲間たちは忙しいからねぇ。」
「俺は海図の確認と、星の位置の計算を進める!」
龍水が得意げに胸を張る。
「僕は食糧管理をしておくよ。航海の途中で食糧不足なんてことになったら大変だからね。」
司が落ち着いた声で言う。
「氷月、そっちはどうだ?」
千空が氷月に問いかけると、彼は涼しげな顔で槍を肩にかけながら答えた。
「ええ、船の上は狭いとはいえ、万が一の襲撃に備え、戦闘訓練は怠りません。」
「オッケーオッケー!んじゃ、俺も退屈しないようにリズムを刻んでおくよ。」
玲央は軽く足で甲板を叩き、リズムを取る。
「ふふ、玲央は船の中でも”ライブ”を続けるつもりかい?」
ゲンがにやりと笑う。
「ま、せっかくなら旅を楽しもうぜ。」
玲央はそう言って、鼻歌を歌いながら甲板を歩き出した。
そんな彼女の歌声を聞きながら、千空はニヤリと笑う。
「アメリカに着く前に、何か面白いことが起こりそうだな。」
玲央の旅はまだ始まったばかり。新たな出会い、新たな挑戦、そして新たな音が、彼女たちを待っているーー。