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管野アリオ
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#オリジナル
重田💋(omoda)
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そんな不思議な出逢いを経た優來はもう二度と会うことも無いだろうと思っていたのだけど、数週間後、思いもよらぬ形で再会することになる。
優來が勤めているのは中堅食品メーカーの「茉白フーズ」。
主にコンビニ向けのスイーツや冷凍食品を製造している会社で、中でも女性をターゲットにしたデザートブランドが人気を集めている。
ここ数年は売り上げも順調に伸びており更なる業績拡大を目指して新工場の建設計画まで進められていた。
しかし、新工場の建設には当然ながら莫大な資金が必要となる。
そこで茉白フーズはこれまで取引してきた銀行とは別に企業融資や資金管理に強い金融会社とも提携することになった。
その相手は企業向けの融資や資金管理を専門とする「響生フィナンシャル」。
急な資金調達にも対応でき一般的な金融機関よりも審査や融資条件の調整に柔軟だと評判の会社だった。
優來はその茉白フーズの経理部に所属していて、普段は請求書の処理や入出金管理、経費精算、取引先への支払い確認など社内の金銭に関わる事務作業を担当しているのだが、優來は今回の案件に関わることになる。
それというのも経理部からも一人資金管理の実務を補佐する担当者を出す必要があり、数字に強く資料の管理も正確と普段から仕事ぶりを評価されていた優來がその役目に選ばれ、資金に関する資料の確認や管理に加えて響生フィナンシャルとの打ち合わせの補佐となり、これまで接点のなかった金融会社と仕事上で直接やり取りする立場になったのである。
そして不安と緊張が入り混じる中迎えた響生フィナンシャルとの顔合わせ当日、
「失礼します」
会議室の扉が開いて響生フィナンシャルの担当者たちが入ってくる中、とある人物を見た瞬間優來は言葉を失った。
(え? あれって……)
優來の視線の先に居るのは先日偶然出会った至で、今目の前にいる彼はあの時とはまるで別人みたいな容姿をしていたのだ。
黒の高級スーツを完璧に着こなし、茶色の髪は後ろで一つに束ねられていて、姿勢も立ち居振る舞いも隙がなく柔らかな笑みを浮かべながら一人一人に丁寧に挨拶をしていく。
「響生フィナンシャル、法人営業担当の蘇枋 至です。本日はよろしくお願いいたします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
名刺交換を終えると至はすぐに資料へ視線を落とす。
「今回の新工場建設ですが、稼働予定は半年後ということでよろしいでしょうか?」
「ええ、その予定です」
「でしたら、資金を一括で管理するより建設の進捗に合わせて分割して管理したほうがよいと思います」
至は資料の一部を指し示した。
「設備投資が集中する時期がありますので、その前後は運転資金に余裕を持たせておいたほうが安全です。弊社でもその前提で融資枠を調整できます」
説明は簡潔で分かり易く質問を受ければ即座に答えて一切の迷いがない、完全に仕事の出来るエリート社員だった。
「さすが響生さん、話が早いですね」
至の説明には茉白フーズの社長をはじめ営業部長たちも感心したように笑う。
「ありがとうございます。こちらとしても御社の新工場計画が滞りなく進むよう出来る限りお力になれればと思っております」
穏やかな笑顔に丁寧な言葉遣い。
そして隙のない仕事ぶり。
優來は目の前に居る至を見つめながら内心呟いた。
(……本当に、同じ人?)
それから一時間程で打ち合わせが終わり優來が会議室を出ると、廊下の向こうから女性社員たちの声が聞こえてきた。
「ねえ、今の人、めちゃくちゃ格好良くない?」
「俳優みたいだったよね」
「しかも金融会社の人でしょ? 仕事も出来そうだったし」
「絶対モテるよね」
そんな声を聞きながら優來は無言で歩いていく。
確かに、外見だけを見ればそう思うのも無理はないけれど、
(顔は良くても仕事が出来ても、不誠実な男は最低よ)
先日の至を知っているからこそ、優來は良い印象を抱けなかった。
コメント
1件
うわあ、再会が仕事の場面だったんですね…!全然違う雰囲気の至さん、スーツ姿でキリッとしてるのに、優來さんはあの日の印象があるから素直にカッコいいって思えないもどかしさ、すごく伝わってきました。仕事デキるエリートと、あの危険な雰囲気のギャップが気になる…!続きが読みたいです🤍