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おかえり、と言える幸せ
同棲生活、2日目。
朝の光がカーテン越しに差し込む中、目覚めたおんりーは、隣にいるはずの人の気配に気づく。
……いない。
代わりにふわりと香るのは、バターと卵の香り。
ゆっくりとリビングに向かうと、そこには、エプロン姿のおらふくんがいた。
「おはよ、おんりー。トースト焼けたよ。目玉焼き、半熟でいい?」
「……完璧すぎない?」
「え、褒めてる?それとも引いてる?」
「どっちかっていうと惚れそうになってる。」
「それ、言ったら惚れてるのと同じじゃない?」
にやっと笑うおらふくんに、さすがのクール男子・おんりーも言葉に詰まる。
けれど、そうやって揺さぶられるのが、嫌じゃない。
いや、むしろ――もっと知りたくなっていく。
その日の午後。
おんりーはひとりでの収録配信のため、近くの撮影スタジオへ向かった。
「すぐ戻るから、夕飯は俺が作るって言いたいとこだけど、料理は苦手なんだよな……」
「帰ってくるまでに、何か温かいもの作っとくよ。気をつけてね。」
それは、まるで“本当の恋人”みたいなやり取りだった。
日が暮れて、おんりーが帰ってきたのは、21時を過ぎた頃。
玄関を開けると、優しい灯りと、湯気の立つシチューの匂い。
「おかえり。」
リビングから聞こえたその声が、あまりにも自然で、
心のどこかにずっと欲しかった“日常”そのものだった。
「ただいま……」
何気ないその一言に、なんだか胸が熱くなる。
2人分の皿に盛られたシチュー。
テーブルには、小さなキャンドルライトが灯っていた。
「え、これって……」
「今日、ちょっとだけ特別な日だから。」
「特別?」
「だって、今日“おかえり”って言えたでしょ。」
その言葉に、おんりーは目を伏せて笑った。
この人は、なんでもない一瞬を、こんなにも温かくしてしまう。
「……ずるいな。君って、ほんとずるい。」
「そっちこそ。」
そう言って笑い合う2人の間には、まだ“恋人”という言葉は存在しない。
けれど、どこかでその境界線が、音もなく消え始めていた。
連続投稿!w
頑張るぞ!
おつら!✌!