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「ひかる!卒業おめでとう、!!パラ大でも頑張ろうな〜!!」


周りには桜が咲いていて、綺麗に舞い散っている。俺を含めた卒業生全員の胸ポケットには花がさされており、ぐずぐずと泣いている黒井にそう言われた瞬間、勢い良くベットから起き上がった。


「…夢…」


嫌な汗が顔を伝って布団に落ちる。嫌に現実的な、まるで実際に体験したことがあるような感覚で余計に気持ちが悪さがでた。その後、扉がノックされて扉越しに姉ちゃんの声が聞こえてくる。


「光〜、今日は始業式なんだから早く起きな〜?」


始業式という言葉を聞いて少し安堵した様な感覚になってベットから降り扉を開けて姉に対し声を発する。


「もう起きてるよ…。おはよ…姉ちゃん」

「おはよ、お母さんが朝ごはんあるから早く食べろって」

「ん…わかった。」


そう言った後リビングに行き朝食を済ませて自室に戻り、制服を見て夢の事を思い出す、それと共に大分前の夢も思い出した。能力がない世界、しかも高校生じゃなくて大学生になっていて、俺だけ能力の事覚えていて、色々嫌な内容の夢だったのは覚えている。


「…やっぱり、ずっとこのままがいいな…俺は。」


そう素直に思った独り言を呟いた後、制服に腕を通し、その後手をぎゅっと握り光ってみた。ちゃんと能力は使える。また少し安堵した後に鞄を持って玄関に来たと同時に姉ちゃんも玄関に来た。


「あ、姉ちゃん、お洒落してるけど出掛けんの?」

「そうそう〜、この前ひかるに教えたあの服屋」

「あー…彼処か…。 」

「…ねえ姉ちゃん」

「んー?何光」

「ちゃんと…春にしてくれた?」

「何言ってんの、私が能力使わなくても時期的には春でしょ?」

「…とりあえず、早く行ってきな、学校でしょ?」

「そうだよね、ごめん。」


そう言った後姉と一緒に外に出た、外に出た瞬間びっくりした。始業式が始まる頃にはもう桜は散っているのに、満開だった。


「あ……姉ちゃん…。」


桜を見た後姉の方を見た。平然とした顔で姉もこっちを見てきた


「私はなんもしてないよ?だから言ったじゃん、今の時期は春だって。」

「…そっか、なんか、ありがとう姉ちゃん。」

「感謝してもなんも無いよ〜??じゃ、私こっちだから」

「…いってきます。」

「はいはい、行ってらっしゃい〜」


そう言い合ったあと姉とは別れて通学路に出て、自分は学校に向かって歩みを進めた。その間色々考えたけれど、やっぱり俺はこの日常が良い。ずっと…、は無理だけれど、今を楽しもうって少し思った。 その後も学校に向かって歩いていたらばしっと背中を誰かに叩かれた瞬間、隣から声が聞こえてきた。


「ひかる〜!おはよう!」

「おはよう…。朝から元気だなお前…、後痛いし。」

「えへへ、ごめんごめん!」

「てか、桜咲いてるー!綺麗〜!」

「…綺麗なのは分かる。」


そう言うと2人とも歩みを止めて桜を見つつ談笑する。…いつもの見慣れた黒井の姿をはっきり見て再認識した。声に出して誰かに言う訳でもないけど、俺、この日常が好きなんだなー…、って。


「ひかる、少し笑顔になってるけどなんかいい事あった?」

「なんもねえよ、というかお前もいつもより笑顔じゃん」

「えへへ、そうかな?」

「…ほら、遅刻するから行くぞ。」


仕返しと言わんばかりに黒井の背中を軽く叩いて学校の方へ歩みを進める。少し後ろから待ってー!!という声が聞こえて隣に黒井が来る。


未来がどうなるかは俺自身、なんも知らないけど。今を楽しみたいかな。


桜が綺麗に舞い散っていくいつもの通学路に二人は歩みを進め、その姿は徐々に消えていった

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なんか色んな意味でニヤける

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