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りくえすと!
みじかおけどがまんしてね!
数年前。
まだ、みことがシェアハウスに来る前。
夜の公園。
ブランコがゆっくり揺れている。
みことはそこに座っていた。
スマホの画面。
通知はない。
「はぁ…」
小さくため息。
家には帰りたくなかった。
理由は簡単。
家にいても、誰もいないから。
両親はいつも仕事。
夜になっても帰ってこない。
「ただいま」って言っても。
返事はない。
だから最近は。
公園にいる時間の方が長かった。
ブランコをこぎながら、空を見る。
「つまんないな」
ぽつり。
学校でも。
友達はいるけど。
本当のことは話してない。
寂しいとか。
つらいとか。
そんなの言ったら、空気が変になる。
だから。
いつも明るくしてる。
笑ってる。
「みことって元気だよねー」
そう言われるたびに。
少しだけ疲れた。
その日。
夜遅くまで公園にいた。
帰ろうとして立ち上がったとき。
後ろから声がした。
「こんな時間にガキが何してんだ」
振り返る。
そこにいたのは。
なつだった。
みことは少しムッとする。
「ガキじゃないし」
なつは少し笑う。
「夜中の公園にいる時点でガキだろ」
みことは黙る。
なつは少しだけ真面目な顔になる。
「家は?」
みことは視線をそらす。
「……ある」
なつは少し考える。
それから言った。
「帰りたくないのか」
図星。
みことは何も言えない。
沈黙。
なつは頭をかく。
「腹減ってる?」
みことはびっくりする。
「え?」
「コンビニ行くけど」
「ついで」
みことは少し迷う。
でも。
そのあと小さく言う。
「…行く」
その日。
みことは初めて。
なつとコンビニに行った。
肉まんを食べながら歩く。
なつが言う。
「行く場所ないなら」
少し間。
「うち来る?」
みことが止まる。
「え?」
なつはあっさり言う。
「シェアハウス」
「変なやつらいるけど」
「居場所にはなる」
みことは少し笑う。
「変なやつ?」
なつも笑う。
「俺含めてな」
少し考える。
それから。
みことは言った。
「…行く」
その日。
みことは初めて。
シェアハウスのドアを開けた。
そこには。
らんがいて。
すちがいて。
あとから。
いるまやこさめも来た。
最初は不安だった。
でも。
今は違う。
みことがリビングで笑う声がする。
「なつー!ジュース取って!」
なつが言う。
「自分で取れ」
らんが笑う。
すちも笑う。
こさめも小さく笑う。
いるまが言う。
「うるさい」
みことは思う。
(あのとき)
(公園にいてよかった)
もし。
なつに会ってなかったら。
今のこの場所は。
きっとなかった。
みことはソファに倒れこむ。
「ここ最高」
なつが小さく笑う。
シェアハウス。
それは。
みことにとっても。
初めての「家」だった。
りくくだせぇ…
コメント
1件
リク答えてくれてありがと~!なっちゃんとみこちゃんが初めて会った場所最高すぎる!