テラーノベル
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闘いを終えた6人は、外食に出掛けることにした。
「ってか買い出し行ってねーじゃん。帰りみんなで行こう」
高地の提案に、渋々ながらそれぞれうなずく。
「で、何食う?」
ジェシーが訊くが、疲れているみんなは口を開かない。
「おっ、そこラーメン屋あるぜ!」
唯一、溌剌としている大我だけが笑顔で答えた。
すでに闇に覆われた夜の中光っている店に、6人が吸い込まれるように入っていく。
「いやー疲れたね」
個室の座敷に座り込むと、緊張から解放されて全員の表情が弛緩する。
「どうか要請来ませんように…」
祈るように両手を合わせる慎太郎。それに樹が笑って返した。「ほかのファンタジアに投げようぜ」
いやいや、と北斗が割って入る。
「ただでさえ少ないのに、そんなの無理だって」
「ったく…俺らもすげえ運命背負わされたもんだよな」
高地のつぶやきは、愚痴には重く、みんなは黙ってしまう。
「しかもさ、俺らの能力を研究しようとしてる悪の組織みたいなのもいるらしいぜ。なんかガイルだかゲイルだかいう名前の。捕まりそうになったファンタジアがいるとか」
大我が言う。そうなの、と5人は一様に驚いた。
「政府からの報酬、上げてもらうしかないな」
樹がつぶやいて、それにジェシーが笑った。
やがてそれぞれの分のラーメンが運ばれてくる。
それからは、いつものようにくだらないことを話して笑い合っていたが、
「あーやばいよサファ!」
突然慎太郎の声が響く。それに重なるように、
「うわやべえ!」
樹も叫んだ。その手に持っていた割り箸が凍っていくのを慎太郎が目の当たりにしたからだ。当人はを視線を上げていて、手元には気づいていなかった。
しかし、箸もろとも凍りついてしまって簡単には取れない。
「どうしよ…」
ジェシーが手袋を外そうとしたが、
「いくら何でもダメ」と北斗に止められる。「木だし燃える」
そっか、と手袋を付け直した。
慎太郎と高地が思いきり引っ張り、ようやく剥がすことができた。
「取れた…」
「ありがとう」
にしても、と高地は凍った箸を持って困り顔で言う。「これどうする? ほっといたら溶けるかな」
「……店員さんに新しいのもらってくる。ごめんけどルビー、火出して」
氷がまとわりついた手を、ジェシーの指先の火にかざして温める。
「ちょっとさ、最近凍りすぎだよ。俺の予備の手袋使いな」
うん、と答えた声は明らかに落ち込んでいる。
「俺…なんでこんな制御下手なんだろ」
「しょうがないよ。手袋付ければ大丈夫だから」
そう優しく諭した。
家に帰ると、樹はジェシーが持ってきた手袋をはめた。
「いいじゃん、かっこいい」
と大我が褒める。
まんざらでもなさそうに頬を緩める。
「いやーでもビビったわ。急にラルドが大声出すから」
高地が言う。
「ごめんって」
「戦闘のときは外して存分に出していいんだからな。それ以外はちゃんと付けること」
北斗の忠告に、うんとうなずいた。
6人が暮らす家のリビングは穏やかさを取り戻し、またそれぞれがのんびりし始めた。
続く
コメント
4件
まじで今回も最高でした!
いつも 、 こっそり 応援 させて もらってます !! これから も 頑張って 下さい っ !!