グレース「皆さん、実は今日でミスズさんとは一時的な別れになります」
少女たち「え〜!」
少年たち「まじかよ〜…」
ルア「……」
グレース「ですが、遠く離れた地に行くわけではありませんよ、信じていればまた会えるでしょう」
少女たち「ほんとに行っちゃうの〜?」
少女2「やだよ〜」
少女3「もっといれないの〜?」
ミスズ「ごめんね〜、私もやらなきゃいけないことがあるんだ〜」
少女1「そっか〜…」
ルア「……」
あれ…?ルア?
ルアは気の後ろに顔を出しながら隠れていた
ミスズ「ルア!こっち来な…」
ルア「………ッ!」
ルアは、少し転けそうになりながらも走って孤児院に戻って行った
少女2「ルアちゃんいたの?」
少女1「ルアちゃん、最近ずっと図書館にいるんだよ?」
少女3「私この前、ルアちゃんがグレース様に別館のしょこに入れてってお願いしてたの聞いたよ!」
ミスズ「書庫?別館なんてあったの?」
少女2「うーん、あるみたいだよ?」
少女1「離れた所にあるんだって上のお姉ちゃん達が言ってたよ!」
ミスズ「へ〜!物知りだね!」
少女3「でしょ?」
ここのお昼ご飯美味しかったなぁ…
中庭も綺麗だし、いい所だなぁ
ルア「お姉ちゃん」
ミスズ「わっ!ルアちゃん!?」
考え事をしていると背中に何か隠しているルアが話しかけてきた
ルア「あの、」
ミスズ「あ!そうだ!」
ミスズは生成魔法の本を出した
ミスズ「これ、ルアちゃんに貸したいんだけど、借り物だから貸せないんだ…ごめんね…」
ルアは首を横に振った
ルア「大丈夫だよ、だって」
背中に隠していた物を出す
それは、薄汚れており年季が相当入っている事が見ただけで分かる、ミスズが持っている生成魔法の本と同じ本だった
ミスズ「えっ!?あれっ!?」
ルア「ここを探し回ってようやく見つけたの…ねぇ」
ミスズ「どうしたの?」
ルア「お姉ちゃんの師匠ってどんな人なの?絶対長生きしてる人でしょ?おばあさんとか?」
ミスズ「え?違うよ?私と同じくらいかちょっと上じゃないかな?」
ルア「そんな訳ないよ…だって、この本は何十年も前に売られた物なんだってグレース様が言ってたから 」
ミスズ「え?あ〜…そういえば…お父様があの勇者パーティのヒーラーだって言ってた気がする…」
ルア「えっ、あの?すごいねお姉ちゃん、そんなにすごい人の弟子なんだ」
ミスズ「改めて考えると師匠ってどのくらい生きてるんだろう…」
ルア「なら、今度聞いて手紙を送って欲しいの、外の事も知りたいし、師匠さんの事も聞きたい!」
ミスズ「手紙送れるんだね!うん、分かった!」
ルア「ありがとう、お姉ちゃん」
アリア「ミスズさん!お迎えの馬車が来てくれましたよ!」
アリアの後ろには綺麗な大きめの馬車が止まっていた
ミスズ「馬車?」
アリア「えぇ、グレースさんが呼んでくれたみたいですよ?」
ミスズ「おばあさまが…!」
アンリ「残念ながらグレースさんは忙しくて来れないみたい」
ミスズ「アンリちゃん!来てくれたんだね!」
アンリ「もちろん!短い間だったけどありがとね!」
ミスズ「こちらこそ!手紙送るね!」
アリア「さあ、そろそろ行きますよ!」
ミスズ「はい!」
馬車の中も豪華で所々に細かな装飾が施されていた
アリア「孤児院はどうでしたか?」
ミスズ「とっても楽しかったです!おばあさまともルアちゃんとも会えたですし!」
アリア「ふふ、連れてきて良かったです!」
アリア「ゆっくりと移動していたら夕方になってしまいましたね…」
アリアが困ったように微笑む
ミスズ「そういえばイリスさんって早く帰れるようになったんですか?」
アリア「あら?伝え忘れていましたか…そうですよ!」
ミスズ「良かった〜」
アリア「もうすぐ来るはずなんですけど…」
???「あらぁ?…遅かったわねぇ?」
教会の奥の神像から女性の声が聞こえてきた
アリア「ッ!あなた、なぜここに?」
ミスズ「?知っているんですか?」
???「あらぁ?紹介してなかったのぉ?」
つづく
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