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sideシャルルダルク
この腕に抱いた彼女は痩せ細り、いつもの軽口も叩かなかった。
最後に伝えたい事を聞く事は俺には出来なかった。
最後などでは無い。
俺は鎧を着て、大剣を背に、早朝王宮を出た。
メイス山の頂上にだけ咲く、女神草…
どんな難病をも治す、魔法の薬草だと聞いていた。
いや、頼りにならぬ伝説だ。
しかし、俺は藁をも掴む気持ちであった。
彼女の薬で治らぬならば…
今度こそは、俺が彼女を助ける番だ…
女神草の手前には、火龍がいる。
それを倒さなければならない。
俺はマリーナのために命をかけることに迷いはなかった。
王宮から出て、馬車の前に着くと…
「兄上、オレも参りますよ。」
甲冑を着たレガットが居た。
「しょーがねぇなぁ。」
武装した、ガーイルも居る。
「お前ら…
命の保証は無いのだぞ…?」
「兄上1人にカッコつけさせられませんよ。」
「良いところ取りさせるかよ。」
「ふんっ…
馬鹿な奴らだ…」
俺の目頭は熱くなったが、涙はマリーナを救った時に流そう、そう思った。
火龍は口から巨大な炎を吐き、俺たちを炭にしようとする。
俺は風魔法で何とか打ち消し、レガット、ガーイルもそれぞれ防いだ。
しかし、これでは…
俺たちが全滅するのも時間の問題だ…!
その時!
「あそこだ!
皆の者かかれ!」
背後から、ラヒトの声がしてメイス国の精鋭部隊が応援に駆けつけた。
「ラヒト兄上…」
「俺もマリーナに助けてもらった。
礼は返すぞ。
ここは俺たちが引き受ける!
さぁ、行け!!!」
ラヒト兄上が言う。
そして、俺たちは傷だらけで山頂にたどり着き、女神草を手に入れた。
俺は女神草を煎じて、マリーナの部屋に持っていく。
昏睡状態の彼女をそっと抱き起こして、色のない唇に女神草の汁を当てるが、飲み込む力はない。
俺は汁を口に含み、マリーナに口づけ飲ませた…
次の日もその次の日も、そうやって飲ませた。
そして、3日目。
「シャルル…ダルク…さま…」
マリーナは目を覚ました。
顔色も戻っており、咳も出ていない。
「マリーナ…
俺は…
そなたが好きだ…
いいや、愛しておる…」
「…先に言うのは、ずるうございます…
私もシャルルダルク様を愛しています…」
そして、俺は細っそりした彼女をギュッと抱きしめた。
*******Happy End ********