コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
【第五話 そういえばそうだった】
「あなたって、誰なんですか?」
…そういえばそうだった。俊介は朝美に自己紹介もせず、話しかけていた。ほぼストーカーだ。マジで通報されてもおかしくない。
「…っあ!!えっと!!あの!!しゅ、しゅん…あっ!!えっと!!吉野、俊介っていいます!!雨宮、朝美、さん!!か、カフェの店員をしてるのを見て!す、すごいなぁって、思いました!!」
焦っている。4ぬほど焦っている。逆に4んでしまいたい。朝美はクスッと笑った。
「俊介さん、って言うんですね。私、俊介さんがパソコンを開いてコーヒーを飲む姿、カッコいいって思ってたんですよ。」
俊介は、頬を赤らめた。叫びそうだ。嬉しい。自分のイキリが通用していた。朝美に認知されていた事も、本当に嬉しかった。
「私は、雨宮朝美です。19歳です。今年で20になります。今は大学のサークルに通いながら、バイト探し中です。」
「僕…は、、、俊介、です、20歳、です。えっと…3週間前に20になりました…お、同い年、ですね。ははっ、」
朝美はクスクス笑っている。陰キャっぷりに笑い出したのか。でも俊介は今にも叫び出しそうだ。こんな「青春」をしたことがない。今日は曇り。天気の話は思いつかない。
「…朝美、さん。明日も、会いませんか?」
「えっ。」
朝美は驚いた。しばらく考えた後、口を開く。
「…明日午後3時、ひいらぎ公園集合で。」