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少年は殺しを生業とする。

それこそがお前の仕事だと言われたからだ。

オーナー代理に拾われてからあるクラブで少年は育てられた。

オーナー代理はある人物に少年を預けた。その人物はこのクラブでオーナー代理から最も信頼されている人物だった。

その人物は少年に言った。

お前はこれから殺しを生業として生きていく運命だと。

少年の名前は藤。拾ってくれた人のラッキーカラーが藤色だったからという曖昧な理由でつけられた。

少年はとても素直でいい子だった。

だからこそ育ててくれたオーナー代理の友人が言うことをしっかり身につけた。殺しばかりするので喧嘩を売ったら確実に死ぬと言う悪名高い噂が少年を段々と着飾っていった。

そんなある日、少年は借金の返済期間を守ってない奴から金を返してもらって来いと言われた。

依頼した相手は少年と同じく殺しを生業とする人間だ。自分で行けと思ったがここで言い争いをしている方が醜く面倒だと気がついた少年は快く引き受けた風を装った。

何故、依頼など面倒なことをしたのか少年には分からなかった。

金の貸し借りほどめんどくさいものはない。クラブで働いていると常々そう思う。

借りて返せなくなってさらに借りる。その悪循環で気がつけば自分で自分の首を絞め殺す、なんてこと日常茶飯事な人は他殺を装った自殺でもしてくれればこちらは助かるのだがなんて少年は考えながら歩いた。

金を返していないのは割と大柄な男性だ。その見た目を使いうちのクラブの下っ端から金を借り続けついにその下っ端がこの前死んだ。

下っ端とは言えうちのクラブの関係者。信頼も多少は落ちた。

自殺の原因はハッキリしておりもう現実から逃げたいと思い死んでしまったらしい。

下っ端の奴は金を取られ続けたが金を他人から借りることは無かった。借りたら面倒だと知っていたのだ。

そして何よりも重要なのはその下っ端は確かに下っ端だったがオーナー代理からとても気に入られておりそろそろ大きな仕事を任せても大丈夫だろうと言われていたのだ。

もちろん、少年も気に入っていた。

そんな下っ端を自殺まで追い込んだ屑。

言い換えてしまえば人殺し。

そんなやつから金を返してもらってくるとオーナー代理に報告した時殺す許可が降りた。

どんな手を使っても金を返してもらってこいとオーナー代理から直々のご命令だ。

持ってきた少し小さめの銃を握る。

体格差がある相手に通用するか分からない程小さい少年。

少年は深呼吸をしてドアを蹴飛ばした。

少年は戦った。

少年は確かに強かった。

だが、まだ少年。

そう、たかが少年なのだ。

残念なことに少年は死んだ。

クラブの関係者が死んだと聞きそこを訪れたオーナーは激怒した。


数年後、クラブの前に子供が捨てられた。その子供をオーナー代理は”まるで初めて見たような驚いた表情で”見つめていた。

藤の花が泣いた時

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コメント

2

ユーザー

少年にとってオーナーさんはもちろんのことクラブの人達も大切な人に含まれてるんだな、って思うと辛い……。それにいくら少年でも大の大人には勝てないよね……😰💦 やっぱり最後のオーナーさんの初めて〜ってのが気になる……🤔

ユーザー

(👍 ᐛ )👍グット

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