テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
こはる
1,404
こはる
557
#切ない
こはる
16
15
第52話
ノアも降りてきて、三人は出かけた。
私は、大体の形は脳内でできてるから紙に書き出した。
「ふぅ〜。髪飾りか……それとピアス。どの案にするかだな……」
私は、ペアリングの案は、三つつに絞れた。ピアスも二人とも四つくらいの案に絞った。
髪飾りが六つくらいあって困ってるけど……こんな事、今まで無かったな……
そう、これまでで一番難しい依頼。半年くらい同じ仕事をしているけど、大半が裏の仕事……って事は置いておいて、こんなに悩んだことは無いってこと。
「……全部案を出すか……? 分からないなぁ……」
無口くんだったノアも仕事の事になれば、コミュ力お化けになるから、心配は無いけど……早く帰ってきたら、困るなぁ……
エリカに似合う髪飾り……
……やっぱり分からない。
「リナ。悩んでるの?」
そう言って紅茶を差し出してくれたのはマリーさんだった。
「はい……髪飾りの案をもう少し絞りたいのですけど……」
「何種類くらいできたの?」
「六つできましたけど……どれも、お姉ちゃんが着る緑のドレスという条件に合いそうなんですよ」
マリーさんは、私の書いた設計図をまじまじと見ている。
怖いな……私の評価されるのか……
「……エリカなら、ここの二つは選ばないんじゃないかしら」
そう言って二枚の設計図と四枚の設計図を分けた。
「どれも、上手くできているけれど、やっぱりこの四択になるのよね……」
私は、そんな声を聞きながらその選ばれた設計図を見ていた。
ノアたちが帰ってきた。二人とも幸せそう。
良かった。
他にもペアリングのお客様や、結婚式や成人祝いのパーティーに……他にも色々あったけど、これ程の圧を感じた事は無い。
殺されそうになっても、ここまでの圧じゃなかった。世界が滅ぼされそうな時より圧が強い。
……いや、これは自分で勝手に感じているだけだ……
私は、その後の打ち合わせも終わったら、どこか疲れてしまって部屋のベッドで寝てしまった。
一ヶ月後。
私は、自分でできる事を尽くした。髪飾りやピアスは勿論、ペアリングに一番時間をかけた。二週間くらいだろうか。魔法石を金属に混ぜるのって難しいんだよね……
知らないだろうけど、私は裏の商品に色々と求めたからね。人脈は、これまでの人生で最大!
ってか、こんなに手先、器用だったっけ? 折り鶴も折れなかったような……あ、黒歴史だ。
何か嫌な予感がするのは気の所為かしら……?
私は、あの薄いブロンド髪の男の影を思い浮かべた。
それは置いておいて、今日はその当日。来週は、グレーテに呼ばれた夜会。
私は、エリカに渡す用のブーケをカゴに入れて、鏡の前で一回転した。
青いワンピース。飾りは少ないけど、大きめな細いリボンが付いているから華やかさは欠けていない。
私は、いつも団子に結んでいた髪を下ろした。耳飾りは、青いけど、緑も入り交じっている石がつかわれている。腕には四歳の頃と変わらずあのプレゼントひてくれたブレスレット。
そう言えば、久しぶりに髪を下ろしたけど……こんな髪色だったっけ?
私は、鏡を覗いた。いつも通り真っ黒だけど……何か虹がかかったような、黒髪の中で彩色がある。
気の所為……じゃないね。そう言えば、この髪に能力あったような。
「ほら、リナ。遅れるぞ」
ノアの声が聞こえた。いつも通り、言葉は少ない。というか、友達という友達もいないし……ノア……
「はーい。今出るから待って」
「はいはい」
私が前髪を直してから扉を開けた。ノアは、キリッとしている。
黒のジャケットに、黒いズボン。中に着ているのは、白いシャツ。
いつもは、ズボンに白いシャツにチョッキって感じかな。あと、帽子も被っている。
いつもとは何倍か、大人びている。いつもは、もう少し可愛らしいような……
まぁ、男の子っぽさは、増したね。ガタイはまだ良くないけど、顔つきが変わってきた。
でも、赤い瞳は格別。何も、見逃さないもん。手も大きさ以外は昔から変わらない。握力くらい大きくなっただろうけどね。
「ほら、行くぞ。三人は他にもあるから、先に向かってる」
『似合ってる』と微笑んでくれた。私も、『ありがとう。ノアも似合ってる』と微笑み返した。
ツンデレなのか偶に言葉にしないでこうやって伝えてくる。ただ単に、言葉数が年々減っているのか見分けがつかないけど。
「うん。分かってるって」
私たちは、並んで式場に向かった。私も、どこの式場になったのかまだ分からない。けれど、きっと二人ならどんな式場でも、幸せに見えるって事は分かった。
コメント
1件
第53話、読み終えました…! リナが髪飾りやペアリングのデザインにここまで悩む姿、初めて見た気がします。マリーさんに選んでもらうシーン、ちょっとドキドキしましたね。 本番当日の青いワンピース姿、すごく綺麗で…黒髪に虹がかかる感じ、神秘的でした。 ノアが「似合ってる」って微笑むところ、ツンデレなのか言葉数が減ってるだけなのか、そこもまた愛おしいです。 お二人の幸せ、私も見守りたいなって思いました🌙