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二階へ上がると左右に道が別れていた。
涼香「右行ってみよ」
菜月「音楽室だ。空いてるかな」
涼香「あ、閉まってる」
その後、家庭科室と美術室に訪れるもどちらとも鍵は閉まっていた。
菜月「これじゃあ教室も鍵閉まってるよね」
案の定全部の教室に鍵が掛かっていた。
最後に三階へと向かう。
菜月「確か3-Dは…あった!あそこだ!」
私達が最後に過ごした教室へと向かう。
近付く度に数人の話し声が聞こえてくる。
涼香「まさか…先生?!」
菜月「静かに!音立てずにちょっと中の様子見ようか」
二人でそぉっとドアの窓越しから中を覗くとモジャモジャ頭が目についた。
そのモジャモジャは動くたんびにボヨンと左右に揺れる。
涼香「なにあれ…」
カサカサッ
(カサカサッ?何の音?)
ふと下を見ると足元にゴキブリがいた。
涼香「○×△☆♯♭●□▲★※」
菜月「すず?!」
突然の事に驚き体勢を崩してしまいドアにぶつかった。
物音に気付いたのかモジャモジャがどんどん近付いてくる。
(し、謝罪しないと!とにかく謝るんだー!)
ガラッ
涼香「ももも、申し訳ございませんでしたーーー!!!」
?「何してんだよ、土下座なんかして」
(この声は…モリピー!?)
バッと顔を上げると目の前にはぽっちゃりアフロヘアのモリピーがいた。
涼香「モリピーじゃん!え!?
どうしてここに?」
モリピー「いや呼んだのお前らだろ」
涼香「……………え?」
呆然としていると横で菜月がプルプルと震えていたが堪えきれず吹き出していた。
涼香「もしかしてなっちーが呼んだの?!なんで黙ってたのさー!」
菜月「最初はサプライズのつもりだったんだよ。けどなんか楽しくなってきて(笑)」
涼香「だから鍵が空いてる場所知ってたのかー!どおりですいすい入れたわけだ!」
モリピー「それよりすず!久しぶりだな。あんま変わってねぇな」
涼香「そういうモリピーも変わってないね。唯一変わったのはそのモジャモジャが増した事くらい?」
モリピー「うっせー!とりあえず中入れ。他の奴らも来てるぞ」
涼香「他の奴らー?」
菜月「ほら〜早く早く!」
菜月に押されながら教室の中へ入る。
そこに居たのは3人の懐かしいクラスメイトだった。
拓海「よっ!すず!」
秀斗「久しぶり涼香ちゃん」
双葉「すずちゃん大丈夫?怪我してない?」
涼香「皆!久しぶりー!」
菜月「これで全員揃ったね。
モリピー乾杯の挨拶!」
モリピー「俺!?…えー、久しぶりに再会出来た事を祝して乾杯ー!」
「「乾杯ー!!!!!」」
私達六人は元々小学時代の数少ないクラスメイトだった。
田舎で人口も少ない場所にある為生徒数が少ないのだ。
おまけに小学校と中学校は隣同士に位置している。
拓海「それにしてもお前らほんっと変わんねぇよな」
菜月「何言ってんの。アンタも全然変わってないからね」
涼香「ていうか大丈夫なの?
これ先生にバレたらヤバいんじゃない?」
秀斗「僕もさっきそう言ったんだけど、なんとかなるって押し切られちゃってね」
(拓海の野郎だな…)
涼香「秀斗はもっと言いたいこと言っていいんだよ!」
秀斗「うん、そうだね。僕も涼香ちゃんみたいになりたいな」
モリピー「そういや拓海と秀斗は同じ高校なんだろ?」
中学卒業後、私と双葉以外の四人はそれぞれ同じ高校へと進学した。
拓海「奇跡的に今も同じクラスなんだ。スゲーだろ!しかも同じ部活に入ってんだ。相変わらず秀斗はモテまくりだけどな」
秀斗「そんな事無いよ」
拓海「俺もモテてー!!なあ、俺のどこ直せばモテるかな!?」
菜月「全部だと思う」
涼香「なっちー達は?」
菜月「私達はクラスが隣同士なんだよ。お互い目が合ったら話す程度だけど」
モリピー「双葉の進学先ってあの聖ロイズリー女学院なんだろ?お嬢様校って知った時は驚いたぜ」
双葉「あのお城みたいな校舎が好きで制服も可愛いから受験頑張ったんだ。そういえば、すずちゃんは都会の高校だったよね?学校生活どう?」
涼香「楽しいよ。けど、こういう自然豊かな所の方が私は好きかな」
それからしばらく話しているうちに進路の話になっていった。
拓海「俺は大学。将来はプロのバスケ選手なる!そんで、世界目指す!」
秀斗「僕も大学。医学部に入って医者を目指すよ。父さんみたいな外科医になりたいんだ」
双葉「私も大学かな。音大に入ってピアノを極めるの。いつかウィーンに行くのが夢なの」
モリピー「俺は就職。バイク好きだからバイクショップとかで働きたい」
菜月「私は美容師なりたいから専門学校だな〜。いつか皆の髪も切ってあげる!」
皆が将来を語るなか、私は未だ迷っていた。母親からは弁護士になれと毎日のように言われている。
高校も偏差値が高い所へ進学させられた。お陰で勉強に追われる日々。
(皆が羨ましい…)