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吉田side
「俺がするので…。」
そう言って俺は自分の席に再び戻る。
でも本当は今すぐにでも逃げ出したい。
そんな気持ちをグッと堪えて、俺は静かに席に座る。
浦「さすがは吉田くん。メンバーのことになると一途だねぇ。感動したよ。」
やはりこの人に言われるとものすごく腹が立つ。だってそんなこと1ミリも思ってないだろうから。
俺はこの怒りを思いっきり表情に出す。
でも浦辺は何も動じない。
浦「あはは。そんなに怒らないでくれ。まぁ顔が可愛いから、怒っていても可愛いんだけどね。」
きもい。キモすぎる。こんなやつに可愛いなんて言われても嬉しいはずないだろ。
もう俺は浦辺の言葉一つ一つにイライラを隠せない。
💛「そんなこと言ったって無駄です。それに気持ち悪いんでやめてほしいですね。」
その言葉で浦辺の顔が少し曇る。
浦「出会ってからこんな短時間で、そんな口のききかたをするなんて。相当私のことが嫌いなのだね。」
浦「でも今から君は、そんな口が聞けなくなるだろう。」
💛「なんで」
浦「なぜなら君は、私を怒らせたらどうなるか、だいたい見当はついているだろ?それを踏まえた上で、今から私と喋りなさい。」
今までにないくらい鋭い視線と、怒りのこもった冷たい声に、俺はただ「はい」と返事することしかできなかった。
すると浦辺の表情はまた変わり、今度は優しい笑顔を浮かべる。
浦「あぁ。それでいいんだ。それじゃあ今からやってもらおうかな。」
始まってしまう。やりたくない。でもやらないといけない。
俺は1人、心の中で葛藤していた。
浦「じゃあ吉田くん。君にいいものを見せてあげよう。」
そう言って別の部屋に案内される。
その扉の先の光景に、俺は思わず固まってしまう。
男性の膝の上に座る、服を着ていない女性の人、2人とも裸で抱き合っている人、服を脱がしながら深くキスをしている人…。
どこを見ても、まともな人なんて1人もいなかった。そこで俺は気づく。
俺は今からこれをするのだろうか…。
こんなおじさんと…。
よく見ると、男性も女性も年齢がバラバラに見える。若い人もいれば、だいぶ年齢が上の人も少なくはなかった。
思わず立ち止まる俺を見て、浦辺が話出す。
浦「ははは。吉田くんには刺激が強すぎたかな?笑」
強いも何も、こんなの初めて見たら誰だって驚くよ。会場の中にいる人みんなが誰かとヤっているとか。
そんな会場に、俺がいることとか…。
驚くどころじゃない気持ちのまま、俺と浦辺はテーブル席に座る。
浦「吉田くん笑。そんなに緊張しなくていいんだよ。」
いや、これは緊張なんかじゃない。単なる恐怖で怯えているんだろう。
💛「いや、緊張はしてないです。ご心配ありがとうございます。」
浦「そうかい。じゃあ吉田くん。ここに来なさい。」
そう言って浦辺は自分の太ももを叩く。
俺があそこに?あんなところに?
もう体全体から、彼を拒否しているのがわかる。もちろん行きたくはない。でもやらないと。
💛「…はい。…..喜んで座らせていただきます。」
そう言って浦辺の太ももに座ろうとすると、「私と向かい合うように」と言ってくるもんだから、余計体が拒否反応を起こす。
俺は浦辺の太ももをまたいで、向かい合うように座った。この感覚がなんともまぁ気持ち悪い。
浦「……….もっと嬉しそうにしなさい。」
できねぇよ。この状況で誰が喜ぶんだ。
そう思いつつも、言われた通りに笑顔をつくる。すると浦辺は満足そうに言う。
浦「うん。いいじゃないか。思った通り、吉田くんにしてよかったよ。」
💛「え〜!光栄です。」
こっちは全然良くないよ。むしろ最悪だよ。
浦「じゃあこのままキスしてみようか。」
💛「えっ?」
いや嘘だよな。嘘だと信じたい。
これだけは本当に嫌だ。
なぜなら俺は、今まで一度も誰かにキスをするなんてことしなかったから。大切な人とのために取っておいたのに。それが今日、こんなやつに取られるなんて…。
絶対にだめだ。
💛「えっと、、。それは…。 」
浦「おや?できないのかい。まあしたくないならしなくてもいい。他のメンバーの子達にしてもらうだけだからな。 」
こいつ、メンバーをそんなふうに使いやがって。
💛「いえッ!俺がします。でも、恥ずかしいので、目を瞑っていてほしいです。」
そういうと浦辺はすぐに目を閉じる。
閉じていればまだマシだろうと思った。
そして俺は、浦辺の頬にキスを落とす。
俺の初めてが…。
浦「はぁ。吉田くん。誰がほっぺにしろと言ったのだ。口同士でするに決まっているだろう。」
💛「あっ、あ〜…。なるほど…。」
何がなるほどなんだ。意味がわからないよ。じゃあ最初から言ってくれよ。
ほっぺにした意味ないじゃん…。
浦「はやくしなさい。」
浦辺はまた目を閉じる。そこに俺は、今度は口にキスを落とした。
すると突然、浦辺の舌が俺の口の中に入ってくる。そしていやらしい音を立てながら、口内で動き回った。
💛「…んッ?!ふッ..ん”ん”ッッあッ!//」
息ができなくて浦辺の肩を叩くと、ようやく口が離れた。
浦「ははは。吉田くんはまだまだだねぇ。でも気に入ったよ。」
浦「今日はここまでにしてあげよう。」
よし終わった!ようやく解放される。今すぐマネージャーに連絡しよう。
なんて1人で浮かれていると、浦辺が話出す。
浦「おや?もしかしてこれで終わりだと思っているのかい?これから君は毎日ここに通ってもらう。ちなみに、君に拒否権はなしだ。あと、メンバーには絶対に言わないこと。」
💛「…わかりました。」
嘘だろッ。これから毎日、こいつに会わないといけないのかよ。なんで、なんで!
俺は絶望に浸ったまま、その場を後にした。
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コメント
3件
このおじさんが佐野さんだったらよかったのに
第4話、読み終えたよ…。めっちゃ胸が重いわ、これ。 吉田くんの絶望感がすごく伝わってきた。嫌なのに抵抗できないもどかしさ、大事な初めてを奪われる感覚、本当に辛かった。浦辺の「拒否権はなし」って台詞が、もう本当にクソすぎて怒りしか湧かないんだけど、もりりんさんの心理描写が丁寧だから余計に感情移入しちゃった。この先どうなっちゃうんだろう…応援したくなるわ。