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リクエスト等ございましたら、ぜひどうぞ♪ただし、余り存じ上げないものに関してはお断りさせていただく場合がございますので、ご了承くださいm(__)m
生徒会長 もふ
眉目秀麗、成績優秀、文武両道。
完璧を人間に例えたかの様な彼は、全校生徒から絶大な支持を得ていた。
俺は、そんな彼から、
告白された。
俺は別に同性の恋愛に対しては何とも思っていない。
しかし、それとこれとは全くの別物だ。
そもそも何で俺なんかが告白された?
彼のことを好いている人間なら山程いるはず。
彼と話したことなんて無かったし、校内でちらちら見かけることはあったが、接触することは一切無かった。
…どうして?
考えれば考えるほど、頭の中に『?』が浮かんでくる。
そして、さっきの言葉が、やけに引っ掛かる。
『俺のこと、覚えてる?』
俺は生徒会長に何かしたのだろうか。
んー…
もふ
「どぬく君笑?」
どぬく
「っ!ひゃっ、ひゃい!!」
もふ
「ふふっw」
「そんなに驚かなくてもww」
あ、笑った…
この人も、こんな風に笑うことがあるんだな…
まぁ、人間だもんな。そりゃ笑うよな。
俺は彼の後をついて行きながら、考えた。
急に彼は止まった。
人気のない廊下。
手は、まだ繋いだまま。
これは…もしかして…!?
もふ
「ねぇ、どぬく君。この間の返事なんだけど…」
⁇
「どぬくさぁぁぁん!!!」
廊下の遠くの方から誰かが俺を呼ぶ声がした。
どぬく
「っあ、」
俺は彼の手をぱっと離れた。
その時、彼と目があった。
驚いたのか、少し目を見開いた様な顔。
気まずい空気が流れる中、1人、その沈黙を突き破って、走ってくる奴がいた。
⁇
「探しましたよぉ〜」
どぬく
「な、なおきりさん…」
学園内で、おそらく1番の問題児、なおきり。
机の上には愛情込めて育てているポピーが飾られている。
植物が大好きな彼は、かなりのユーモアセンスを持っており、いきなり訳の分からない事を喋り出す。
残念なイケメン。
なおきり
「じゃぱさんが呼んでましたよ〜。なんか、
『早弁対決するから今すぐ教室戻ってこい!』
って。」
「まぁ、もちろん僕も参加させてイタダキマァス⤴︎」
どぬく
「あ、そ、そう。」
なおきり
「じゃ、行きましょ!!」
なおきりさんは、俺の手を掴んだ。
その時、一瞬生徒会長の目が陰った様な気がしたが、
どぬく
「じゃあ、失礼させていただきます。」
ペコリ
俺はお辞儀をして、なおきりさんに半ば引きずられながらその場を後にした。
もう少し、彼と一緒に居たかったのは、きっと気のせいだろう。