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錆の都送り

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錆の都送り

第28話 - 第28話　喘ぎ

35

2024年11月04日

#ダークファンタジー

#錆

#黒蜜の賞金付きコンテスト

伊琉夏

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伊琉夏

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戦闘の余韻が残る中、真嶋は鷹津をビルの屋上に追い詰めていた。彼の刀は鷹津の首を絞め、その力で彼の動きを封じている。真嶋は冷静な表情を崩さず、眼前の敵を見つめていた。

「お前はもう終わりだ、鷹津。」真嶋の声は静かだが、確固たる決意が滲んでいる。

鷹津は苦しげに喘ぎながら、必死に刀を逃れようとする。しかし、絶対的だった。刃の威圧感が、彼の心に恐怖を植え付ける。

「お前がこれまでの道を選んだ結果が、今ここにあるんだ。諦めろ。」真嶋はゆっくりと刀を引き絞り、鷹津の視界を遮る。

「うるさい！こんなところで終わるわけにはいかない！」鷹津は叫び、力を振り絞って抗おうとしたが、真嶋の力はそれを許さない。

「お前の選択が、無駄だったことを証明してやる。」真嶋は、心の奥から湧き上がる力を感じていた。彼は刀を消滅させることで、鷹津を完全に打ちのめすつもりだった。

「待て！頼む、そんなことをしないでくれ！」鷹津の目に恐怖が広がる。「俺にはまだやるべきことがある！」

「それはお前の都合だ。」真嶋は冷徹に言い放つ。「お前は自分が選んだ道の責任を取らなければならない。」

真嶋は刀を構え、そしてその刃を鷹津の首から外し、冷静に言った。「消えろ。」

瞬間、真嶋は刀を消滅させた。その瞬間、鷹津は自らの重力に逆らえず、落ちていく。空中に放り出されたような感覚が彼を襲う。

「うあああああっ！」鷹津の悲鳴が響く。彼の体は急速に地面へと向かい、やがて視界から消えた。

真嶋はその瞬間を静かに見守る。自分の刀が消えたことで、敵がどのように運命を受け入れるかを感じた。

「これが、俺たちの勝利だ。」真嶋は心の中で呟いた。だが、彼の心にはほんの少しの虚無感が残る。戦いの終息と共に、命を奪った相手に対する思いが複雑に絡み合う。

「これで、一つの戦いが終わった。」真嶋は静かに屋上を振り返る。鋼谷たちが近づいてくるのを感じ、ほっとした気持ちを抱いた。

「真嶋、無事か？」鋼谷の声が響く。彼の表情には安堵と感謝が混じっていた。

「大丈夫だ。鷹津はもう…」真嶋は言葉を詰まらせ、視線を下に向けた。「落ちた。」

鋼谷は一瞬、驚いた表情を浮かべたが、すぐに理解した。「それで、もう脅威は去ったのか？」

「そうだ。ただ、これからのことを考えると…」真嶋は言葉を選ぶように続ける。「やっぱり、戦いは簡単じゃない。」

「そうだな。」鋼谷も頷く。「でも、私たちがここにいる限り、また戦う覚悟はできている。」

「次の敵が来るかもしれない。それに備えておこう。」真嶋は振り返り、次なる戦いへの意気込みを感じていた。

二人は、錆の都の戦士としての道を歩む決意を新たにし、共に次なる戦いへと進んでいく。