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月が綺麗ねと言われたい!
君の目の先ずっと私でいたい!
オカモモ前提のエンオカ
自己満で作りました
煙々羅×オカルンのBLカプ
作品概要にあるワンク見てから読んでいただくと嬉しいです
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♡
『オーカルン!最新号のポー持ってきた?』
『綾瀬さん!もちろん持って来ました!』
メガネをそっと押し上げ少し早足で彼女に駆け寄っていく。
少々猫背気味だが彼女の隣にいる彼は居場所が出来たよう前々から感じていた。
好きなことを好きな人と楽しめるのはとても嬉しい、と。
『このスピントロニクスは名前の通りどっちに回転するかによって物の性質が変わるポーでは基本的な情報であり』
『ジブン達の体は20種類のタンパク質から出来ているようで、そのタンパク質は左回転。糖や遺伝子などは右回転』
『これは螺旋の力と同じような感じです。』
自身の得意な分野で早口解説をしている彼。
『あっ!つい喋りすぎましたね!すみません!』
『んーん?良いよ?オカルンはオカルト大好きだもんね!』
でも綾瀬さんはそんなジブンに嫌悪感を抱かずに接してくれるのが、
初めての友達が出来た時の感覚で。
ジブンを認めて貰えたような気がして、嬉しかった。
『___はい!』
そう言ってポーのページを開き、オカルトオタク全開で彼女と
2人だけの時間を過ごしていた。
だがなぜ小娘は高倉の隣にいる。
自分の気持ちを押し殺してまで他人の趣味に付き合うか?
さらにアイツらの仲間になる?
気に入っているサンジェルマン様の意図が理解できない。
『天才だってとこだぜ』
『ばきゅんばきゅん』
あの邪視が憑いているガキに負けてからただただ悔しい。
♡
「あっ(あの特徴.?.まさか…..)」
正面に見えた黒いロングコート。
高倉健という名を持つ1人の少年は親友のジジから言われた
情報を照らし合わせる。
すると何かにガキは近付いて興奮気味にこう言った。
「あなた…!ジジから聞きましたよ!」
「星子さんを蹂躙したって!」
聞き覚えの無い名に思考を巡らせる。
邪視ではない、もう1人の人間….。
「星子?あぁ、頑なに負けを認めなかった方ですね」
私はこのガラスの様に脆いガキに負ける程、弱くない。
♡
下校途中。
ある程度の騒音は問題ない広々としていて、辺り1面
田んぼが遠くまで続いている神越市の田舎に位置する場所。
ジブンは綾瀬さんに「また明日」と言い、帰路に着く。
だがしかし。今の綾瀬さんは、今までの記憶が無い。
モンゴリアンデスワームや深淵の者(クル)との死闘。
挙げ句の果てには呪行李の一連にあの発言も前までは
無かった事にされていた。
そうだとしても、これだけ距離を詰めれたのは凄いと思う。
綾瀬さんは今も昔も変わらないなと余韻に浸っていた。
その時だった。
ジジから聞いたある1人の男性に特徴が酷似している。
勇気を出して話しかければ。
松江城まで行って星子さんをボコボコにした人だと、すぐに解った。
そんな人がいるとは、にわかには信じ難い事実だった。
「星子?あぁ、あの頑なに負けを認めなかった方ですね」
綾瀬さんの祖母である星子さんをそんな言われようでは
怒りの感情が地を這って出てくるような気持ちだ。
「まぁ、ここで邂逅したのも何かの縁です」
彼は懐から見覚えのある持ち手が黒く、手術用メスのような物を
取り出しこう言った。
“負けを認めなさい“
♡
「….!」
前にも1度言われたことがある。
学校の中で、誰に….言われた。
「はい、負けてます」
一瞬ではらわたが煮えくりかえる様なイラつき。
「違う。負けました、ただそれだけで良いのです」
「いいや、負けてます」
もはやただの言い合いになっていた。
「中々認めませんね。」
「そういえばあなた、ターボババァの力を持っているようで」
ターボババァの力?この人勘違いしてるな。
ジブンはもうターボババァに霊力を返したのに。
「その力はもう持ってませんよ」
「無駄な抵抗はやめておいた方が良い」
「あなたは私に敵わないのだから」
必死に誤解を解こうとするも、なぜか相手はそれを貫くスタンスで
ジブンに詰め寄る。
ふと、満次郎さんから渡されていた物の存在を思い出した。
「(あ、そうだ!護身用の鬼の金棒!)」
学生服の胸ポケットから数センチ程しかない錆びた棒を取り出し。
霊力を込めると、某宇宙映画を連想させるようなレーザービームが
姿を成した。
「かかってこい!ジブンが相手だ!」
♡
「武人である私にその太刀だけで掛かってくるなど、愚かな」
「(宣言した以上、勝たないと…..)」
彼は最低限のスポーツマンシップに従い、彼の目の前でお辞儀をした。
「(え?急に何して____)」
一瞬の隙に間合いを詰められ、金棒で防御したのも反応出来たのも
かなりギリギリだった。
「(なんて速さだ….!)」
ジジと邪視でやっと倒せたはずの敵がジブン1人変身も出来ないこの状況で肝が冷え、生きている気がしなかった。
空1面が漆黒に染まる。
虚空が展開されたのだ。
自然と緊張の糸が解け、キョロキョロと見回すが誰もいない。
「刹打!!」
瞬間、腹に信じられない程の激痛が走る。
「…か、はッ…」
数メートルは確実に吹き飛ばされ、痛みに耐えるべくダンゴムシのように縮こまり、声にならない痛覚への拒絶反応と無理矢理にも押し出した唾液が口から溢れ落ち、内蔵が口から出そうな程の一撃。
何もない空間から煙が人の形を形成していく。
ミイラ男と戦った際に出来た、身体を突き刺した傷が開く。
掌には小石がめり込んでいて、血が出ている。
バモラさんの怪獣スーツはまだ直っていない。
綾瀬さんは超能力の使い方を忘れて。
ジジの家からここまではかなり遠い。
白鳥さんは雪白さん、いんちょーと勉強会。
星子さんは今島根の病院で入院生活。
満次郎さんも神社の事で忙しいだろうし。
ふらふらで覚束ない足取りでも今戦えるのはジブンだけだ。
何度でも立ち上がって、立ち向かう。
「(霊力を金棒に伝えて….)」
息が途切れつつも、体勢を立て直し。
攻撃を___。
「(…..避けられた?)」
「爆破!!」
「あ゛ぁ゛ッ!!!!」
脚から繰り出された攻撃で再び腹を強く打ち、彼はパタリと
倒れる。自身の意思ではないのに関わらず強制的に立たされ、手が口を覆う。
胃液と血液が逆流してくるような気持ち悪さ。
意識は混濁し、徐々に視界が薄れてゆく。
♡
「これであなたが私に勝てないと分かったでしょう」
「負けを認めなさい」
「んんーッ!!」
「まだ踠くのですね、いい加減諦めたらどうですか?」
今ジブンが意識を失ったら邪視やアクさらが奪われてしまうことは 目に
見えて分かる。 そこから連雀高校。
綾瀬さんの超能力が奪われたらジブンはもうどうする事も出来ない。
「(今ここで諦めたら綾瀬さん達が危険だ…!)」
必死に巻き付けている腕を引き剥がそうとするが、ビクともしない。
それどころか、喉の奥が熱くなり、肺の中の酸素が薄く。
本格的に視界がボヤけ始める。
「~ッ!??!?」
「(ヤバい…..もう…意識が….)」
ブンブンと振り、踠いていた足はある時を境に動きが無くなりプランと
伸ばした状態。
引き剥がそうとしていた筋肉は抵抗する力が抜けている。
「__ルン…!」
「…オカルン!!!!」
聞き馴染みのある声が聞こえてくる。
猛ダッシュで駆けつけたのは、親友の円城寺だった。
「チッ、またあなたですか」
「オカルン傷付けて落とし前どうしてくれんのさ」
親友を傷付けてられた事により、狼のように鋭い視線を向けている。
「今日は引き上げます、ですが次は必ず仕留めます」
「…..ゲホッ…ォ”エ”ッ….」
文字通り、煙の様に消えていった。
締め付けていた腕がパッと無くなり、肺に酸素が急激に入ってくる。
「オカルン大丈夫!?息してる?!意識ある?!」
「俺の事分かる?!」
視界が段々と戻っていって、辺りは以前の色彩を取り戻した。