図書館での嫉妬
放課後の静かな図書室。
らんは参考書を開きながら、隣に座るいるまの横顔をちらちら見ている。
けど、いるまの視線は前の席にいる女子生徒に少しだけ向いていた。
「……ふーん。ああいうのがタイプ?」
らんの声は、冗談っぽく明るい。けど、どこか寂しげ。
いるまは、ゆっくりとらんに視線を戻した。
「は?なんだよ急に。バカか」
「だって見てたじゃん。話しかけられてたし……かわいかったしさ…それにそれに…」
いるまの眉がピクリと動いた。
「……俺はお前しか見てねぇよ」
「……え?」
「お前以外どうでもいいし、そんなふうに思われてると思っただけで、ムカつく」
らんの顔が真っ赤になった。
「……そ、そんなストレートに言うなよ……!バカ//!!」
「言わなきゃ分かんねーだろ。俺、不器用だし」
いるまは机の下で、そっとらんの手を握った。
図書室の空気が、ふたりだけの特別な空間に変わった。
コメント
2件
あ゛ぁ゛〜、ッ…尊い゛ッ!!!(泣) 手繋ぐとかもうさ…うん、付き合ってるって …私が間に入って付き合ってもいいんだよ(???) 次も待ってるね!